6周年記念! アクセスランキングトップ10

まとめ
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若者のためのウェブ・プラットホーム、「ボイス・オブ・ユース JAPAN」(VoYJ)が始まって、今日で6周年を迎えます。ライターの皆さん、そして読者の皆さんのおかげで、総記事数は450近くにのぼり、ビュー数もひと月に1万回以上、そんなプラットホームに成長しました。

今日は、初期からご覧くださっている方にとっては久しぶりの企画、アクセスランキングトップ10をお届けします。VoYJが始まった2018年秋からの6年間で、どんなボイスが多く読まれてきたのか、まとめてみました。

 

第10位 AI時代に外国語を学ぶ意義とは

AI時代に外国語を学ぶ意義とは

第10位は「うさこ」さんの『AI時代に外国語を学ぶ意義とは』です。

誰もが一度は考えたことのある問いでありながら、意外と答えを出すのは難しい問題ではないでしょうか。それに対してシンプルで明快な考え方を示されているので、多くの方の目に留まるのも納得できる記事です。

例えば、英語を例にとってみましょう。私は、日本語から英語に翻訳する時、よく和英辞典を使っていました。しかし、いくら日本語で表現したいことを辞典で探しても、ぴったりな表現が見つからないことが度々ありました。

なぜ見つからないのかと疑問に思っていましたが、ある時、「日本語をベースにした考え方のままでは、英語にぴたりと当てはまる表現が見つからないのは自然なことだ」と気が付きました。

言語には話者の価値観が反映されていますから、多くの言語に触れるほど視野が広がりそうですね。

 

第9位 一通のメールがつないだ奇跡 〜マイ・フェイバリット・ピアニスト〜 【Part 2】

一通のメールがつないだ奇跡 〜マイ・フェイバリット・ピアニスト〜 【Part 2】

第9位は、菅田利佳さんの『一通のメールがつないだ奇跡 〜マイ・フェイバリット・ピアニスト〜 【Part 2】』です。憧れのピアニストに送った一通のメールから、実際に対面で会うことにまでつながったのは、それだけ菅田さんのピアノへの想いが強かったからなのでしょう。この記事が投稿された当時はコロナ禍の最中でした。音楽は一人で楽しむこともできますし、音楽を通して誰かと関わることもできます。改めて音楽の影響力の幅の広さについて考えさせられる記事でした。

 

第8位 それは「生ゴミ」じゃない。ハエの「エサ」なんです。

それは「生ゴミ」じゃない。ハエの「エサ」なんです。

第8位は、当時医学部医学科に所属されていた川本亮さんの『それは「生ゴミ」じゃない。ハエの「エサ」なんです。』という記事です。「ハエ」というどことなく避けたくなるワードがタイトルにありながら、これだけ多くの人に読まれているのは川本さんのユーモア溢れる文章とミズアブに対する熱意からでしょうか。「昆虫食」について紹介されることは最近多いですが、虫を食品循環に組み込むという方法もあることは初めて知りました。昆虫食はちょっと……という人もこれなら受け入れる余地があるかもしれません。

 

第7位 人と自然が共生することについて考えてみた

人と自然が共生するということについて考えてみた

第7位は「小さな生き物に大きな夢を見る大学生」さんの『人と自然が共生することについて考えてみた』です。自然のことは自然に任せて、ヒトはできるだけ干渉しないようにするのが良いのではないかと考えていたのですが、ヒトも生態系の一部である以上、人が自然と関わり続けることは不可欠であることに気づかされました。最近はニュースでイノシシの被害を聞くことも多かったので、とてもタイムリーな考察になっています。また、ヒトの手入れが行き届かなくなった山において低下した多様性を改善する解決策について、生物学的な視点から詳しく解説されていてとても勉強になりました。

人が捕獲や生産によって生物の個体数を調節し続けることは根本的な解決ではないと考える人もいるかもしれませんが、実はこれこそが「人と自然が共存する」こと、また「ヒトが生態系の一部」であることだと思います。

 

第6位 あなたは「一致」と「合致」の違いを知っていますか?

あなたは「一致」と「合致」の違いを知っていますか?

第6位は、韓国からの留学生でいらっしゃるジミンさんの『あなたは「一致」と「合致」の違いを知っていますか?』です。留学生ならではの視点で「一致」と「合致」を定義されています。

私の場合、

「一致」はどの方向から見ても同じ姿であること

「合致」は相互に異なる姿であるとしても、合わさった時の相性がいいこと

だと定義した。

少なくとも高校までは、趣味や好きなものが似ている、いわば「一致」している友達がいいと思っていた。

しかし大学生になるとで最近は性格や考えが違ったとしても、私が思考できずにいた観点で思考する友達を好むようになった。

同質的な日本社会で暮らす私たちも、知らず知らずのうちに「一致」する仲間ばかり探しているかもしれません。積極的に自分とは違うタイプの人々と関わることで何か新しい可能性が生まれることもあるのですね。

 

第5位 世界平和とスポーツの持つ力の可能性

世界平和とスポーツの持つ力の可能性

第5位は、山本竜翔さんの『世界平和とスポーツの持つ力の可能性』です。この記事は、東京オリンピック2020を間近に控えた時期に書かれたものです。オリンピックは世界平和実現を理念として開催されています。スポーツをしているときはスポーツマンシップに則って相手を尊重するため、オリンピックは寛容と相互理解を促進すると考えられます。

他方で、サッカーの試合を引き金として起こった戦争もあります1)。国同士の試合ではナショナリズムが誘発されがちなので、そこは気を付けたいところです。

 

第4位 「なぜ生きるのか」という問いに対して思う3つのこと

「なぜ生きるのか」という問いに対して思う3つのこと

第4位は、「ばにき」さんの『「なぜ生きるのか」という問いに対して思う3つのこと』です。哲学の永遠の問いに、3つの考え方を示されています。

1つ目は「なぜ生きるのか」という問いは考える必要がないということです。

2つ目はある方がおっしゃっていたことなのですが、「なぜ生きるのか」よりも「どう生きるのか」という問いの方が答えやすいということです。

3つ目は、「なぜ生きるのか」という問いにあえて現代人に普遍的な解を1つ与えると、「安住の地を得るため」ではないかと思います。

「なぜ生きるのか」と問うている時点で、気づかないうちにとてつもない孤独にさらされているのかもしれません。この記事も、コロナの影響により自宅で授業を受けていた時期に書かれたものです。自分は大学に実際に行けていますが、一人暮らしでオンライン授業という状況を想像すると本当にしんどいと思います。孤独は一日15本の喫煙と同程度の健康への悪影響があるそうです2)。「なぜ生きるのか」という問いにとらわれる前に積極的に人と関わるようにしたいですね。

 

第3位 メンデルスゾーン: 無言歌集より「浜辺で」

メンデルスゾーン: 無言歌集より「浜辺で」

順位が上がってきました。(競っているわけではないと思いますが笑)

第3位は先ほども登場した菅田利佳さんの『メンデルスゾーン: 無言歌集より「浜辺で」』です。

「Lied ohne Worte(独:「無言歌」)」は、その名の通り、言葉のない歌で、メンデルスゾーンは、その生涯に48の無言歌を残しました。その一つ一つは、まるで歌詞のついた歌そのものであるかのように、私たちの心に語りかけてくる、魅力的なメロディーとハーモニーにあふれています。

この記事にはYouTubeの動画が載っていて、菅田さんと恩師との思い出の曲の演奏を聴くことができます。自分も聴いてみたのですが、流れるような旋律や心地よい音色にどこか懐かしい雰囲気を感じました。音楽は記憶とも強く結びついています。この曲を聴いて、あなたはどんな景色を思い浮かべるでしょうか。

 

第2位 「戦争が無くなれば平和」に疑問を抱いてみる

「戦争が無くなれば平和」に疑問を抱いてみる

第2位は、当時学部1年生だった今泉壮人さんの、『「戦争が無くなれば平和」に疑問を抱いてみる』です。非常に鋭い視点だと思います。

平和とは一度その輪の外から出てみないと実感できない気がします。

私の場合、今までは「メンタルヘルスが実現している平和」という輪の中にいました。しかし生まれたときから平和の輪の中にいたので、自分がその輪の中にいることを実感することはありませんでした。それが高校三年生の時に輪から外れ①、そして初めて自分が平和という輪の中にいたことを外から理解できました②。そして中に広がる平和の大切さを心から実感するのです。

「平和」という概念は「戦争」という概念があって初めて成立するのではないでしょうか。戦争を経験していない人にとっては、「平和」という概念はピンとこないものがあるかもしれません。だから、我々は世界で起こっている物事にもっと目を向けなければなりません。また、今泉さんは自分自身の平和として「自分に自信が持てること、将来に希望が持てること」と定義しています。一人一人が自らの平和に向かって前進していれば、当然衝突もあると思いますが、お互いに妥協し合い、また新しい平和を更新していけばいいのではないかと思いました。

 

第1位 ピアノの魔法に導かれて

ピアノの魔法に導かれて

栄えある第1位は……三度登場の菅田利佳さんによる『ピアノの魔法に導かれて』です。全盲の菅田さんの葛藤や困難、またそれを乗り越える希望の光となったKaori先生との出会いが描かれています。

音楽には、喜びや感動、悲しみ、痛みなどの言葉にはできない感情を共有し、人々が心と心でつながることを可能にする力があるのだと思います。幼い頃から深い愛情を持ってご指導してくださった、たくさんの先生方のおかげで、私は、そんな音楽の不思議な力に気づくことができました。

「障害を持たない人が障害を持つ人を支える」というステレオタイプもいまだにあるとは思いますが、障害の有無にかかわらず得意なことを活かして、互いが互いを勇気づけることができるのではないかと思います。菅田さんが、これからも多くの人に光を届けられることを願っています。

 


いかがでしたか。ボイスのテーマを見ても、そのライターさんのバックグラウンドを見ても、本当に多様な声が集まっている、そんなランキングとなりました。
節目を迎えたVoYJは、これからもさまざまな若者による、さまざまな形態のボイスを発信し続けていきます。

あなたも、VoYJで自分の「声」を発信してみませんか。

 


1) https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201406170010-spnavi?p=2
2) https://forbesjapan.com/articles/detail/67477

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