メンデルスゾーン: 無言歌集より「浜辺で」

キセツノトピック
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「Lied ohne Worte(独:「無言歌」)」は、その名の通り、言葉のない歌で、メンデルスゾーンは、その生涯に48の無言歌を残しました。その一つ一つは、まるで歌詞のついた歌そのものであるかのように、私たちの心に語りかけてくる、魅力的なメロディーとハーモニーにあふれています。

中でも「浜辺で」は、5年前、フランスにて、後の恩師となるピアニストに出会い、私の人生を大きく変えた作品です。初めて恩師のレッスンを受け、自分の心とピアノの音色が繋がる魔法のような感覚を味わったのも、この曲でした。フランスでの出会いについて、詳しくはこちらのボイスに綴りました。

あの投稿からまもなく、恩師はお亡くなりになってしまいました。先生にもう会えない。大好きな音楽を共有し、語り合うことができない。その痛みを言葉にすることは、できそうもありません。それでも、「浜辺で」を奏でれば、いつまでも心のどこか深いところで、先生と繋がっていられるような気がするのです。

師匠として、同志として、どんな時も私の気持ちに寄り添ってくださった恩師。闘病を続けながら、最後の最後まで美しい音楽の世界へと私を導いてくださった恩師。そんなKaori先生との短くも濃厚な5年間への思いを、音にのせました。

 

 

あの時、あの場所でかけがえのないあの人と心を通わせた音楽。少しでも自分の目指す音色に近づけた一曲。そんな大切な作品が皆さんにもありますか?

 


 

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