マイうつ #1:僕と「うつ」

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2023年11月20日、うつ病の診断を受け1ヶ月入院生活を送りました。今は自宅で療養しつつ通院・加療中です。

入院までの記憶は朧げにしかありません。楽しくも忙しい仕事を前にもがき続けていた記憶と、「死にたい」という焦げ付くような感覚が脳を埋め尽くした記憶くらい。慌てて病院と職場に連絡し、入院させていただくこととなったはずです。

うつ病と一緒に過ごす日々は、地獄です。だいぶマシにはなってきたものの、未だに朝起きて最初にするのは目前にぼんやりと浮かぶクエスチョンマークと対峙すること。「今日を生きるか、どうしようか」。日中に大切な仲間たちと会う予定があると、それに縋り付いて今日を生きようと自分に言い聞かせ布団から抜け出します。岐路にぽつりと置いてあるクエスチョンマークを横目に、歩を進める。時には、行ってはならない方向に足を向けかけることもある。そんな時はうわごとを呟きながら、愛に溢れた家族の助けを借りながら、両手を強く握り締め我慢します。人と会うのは特効薬で、抑うつ気分を和らげてくれる。僕も快活に、笑顔で過ごせます。でも家に帰ったら、また地獄が待っている。都合の良い自分に対する嫌悪感と相まって、奈落は引力を増すのです。

ただ、地獄といっても、あくまでこれは僕にとっての地獄。人には人の地獄があるって宇垣美里さんが仰ってました。私には私の、あなたにはあなたの地獄があると。目には見えない引力に、人は日々抗い続けています。「この世は不条理」と知った上で、負けてたまるかと歯を食いしばり反抗している。そんな闘い続ける人の力に少しでもなることができたら。笑われるのは、蔑まれるのは怖いけれど、それでも僕の経験を共有することでどこかにいる誰かを助けることができたら。僕の地獄が、誰かを救うことができたなら。

そう思って、僕なりのうつ病との向き合い方について共有していくことにしました。

タイトルは「マイうつ」。人には人の地獄がある、それと同様に僕には僕のうつ病があります。ネットで検索しても、本を読んでも、ピタリと当てはまる事例などない。あくまで僕なりに、うつ病との向き合い方について肩肘張らずに書いていきたいと思っています。うつは英語でdepression。ザ・フーの名曲 “My Generation” に当てはめて “Talkin’ ‘bout my depression~♪” と歌えば、何だかカジュアルに聞こえます。そんなテンションで、うつ病について話すきっかけになればいいなと思っています。この国では、まだモワァ〜とした偏見もあるメンタルヘルスの問題。どうしてもシリアスに捉えられがちなトピックについて、少し肩の力を抜いて話すことができたら、世の中はちょっと過ごしやすくなるはず。そう信じています。
俺の地獄が、誰かの支えになれば。


 

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