私がこれまで生きてきた中で、あまり人に言えなかったことについて書きたいと思います。
それは、父についてです。
私の父は一見特に問題も無い普通の良い父親に見えるでしょう。実際私も中学生くらいまではそう思っていました。
しかし私は、父がモラハラ親(母から見ればモラハラ夫)であることに気づくことができました。そして、これまで自分が抱えてきた心のもやもやがすーっと晴れた気がしました。
自分には関係ないやと思われる方もほんの少しのお時間を割いて読んで頂けますと幸いです。
まず、モラハラとは「モラルハラスメント」の略で、言葉や態度、身振りや文書などによって、相手の人格や尊厳を傷つけたり、肉体的、精神的に傷を負わせることです。1)
相手を過剰に束縛・支配し、怒り出すと相手の人格すべてを否定するような暴言を吐いたり、極端な態度に出たりする事象を指します。2)
今この文章を読んでくださっている方の中には、家庭内でモラハラなんてあるの?と思われる方もいらっしゃると思うので、早速私の父の例を紹介しましょう。
父は会社でもそれなりに昇進し、子どもを大学に通わせ、外面(そとづら)は良い方かも知れません。
休日は自分の部屋にこもりっきりで、たばこを吸ったり動画を観たりしているようです。
休みの日でも家事は一切せず、自分の使った食器を洗う、自分の布団をたたんで押し入れにしまう、なんてことはありません。自分の部屋もスナック菓子のごみで散らかりっぱなし。
でも、家のことは全て母の役目だから俺がやる必要はない、というのが父の作ったうちのルールです。
もしここまでであれば、亭主関白な父親、といった感じでしょうか。
私がモラハラだと思うのはここから。
父は時々、突然ものすごい勢いで怒り出します。
怒りのポイントは未だに私にはわかりませんが、本人なりのルールがあるようです。
これまで父が怒り出したポイントの例としては…
・母が、幼い私が寝る時間なのでテレビの音を小さくするよう父に頼んだ。
・母が、父の勤める会社にとって競合他社の製品を買った。
・母が、友人と夜ご飯に行き夜9時まで帰ってこなかった。それがどこのお店で誰となのか、父に証拠写真を送らなかった。
これだけではもちろん無いのですが、特定されてしまうと困るので、この辺りでとどめさせてください。
そして、怒り出すと父はとにかく不機嫌な態度を取ります。
母の言うことは完全に無視、頻繁な溜息、大きな足音と雑に扉を開け閉めする音が「ばん!ばん!」と家中に鳴り響きます。
感覚としては、24時間ずっと近くで威嚇され続けている感じでしょうか。四六時中びくびくしながら、それでも普段通りオンライン授業を受けて、課題をこなして、バイトをして…。
何で怒っているのか聞いても、無視するか、「自分で考えろ」と高圧的な態度を取るだけ。
これが大体数日から一週間続きます。
それが終わると、父の説教が始まります。「俺が稼いでやっているのに…誰のおかげで生活できていると思っているんだ…」といった具合から始まり、相手を否定するような言動にも発展します。
ひどい時には物が飛んでくることもありました。
母が何を言っても、父は自分のルールしか受け付けないので、まともな話し合いにはなりません。
それでも、給料日まで父の怒りが続くと生活費がもらえない可能性があるので母は父の言いなりになります。
きわめつけに父は、母に反省文を書かせ、それを持ち歩くよう強要します。
最近では、以前に書かせた反省文を母が読み返して反省していないと怒り狂ったこともあります。
子どもの私の立場としては、父が母に向かって人格を否定するような、高圧的な態度を取る姿を数年周期ではありますが何度も目の当たりにし続けるというのはかなり辛いものがあります。
こうした父の怒りは、不定期にやってきます。
何となくモラルハラスメントの一例をご理解いただけたでしょうか。
これくらいのこと、家族で話し合って改善できるのではないか?と思われる読者の皆さんもいらっしゃることでしょう。
その聞く耳を持たず、少しでも指摘すれば怒りに任せ上記のようなモラハラ行為が始まるかも知れないということが、私にとって一番恐怖を感じるところでもあります。
何が引き金になって父のモラハラ行為が始まるかわからない不安と恐怖があるので、常に父に対する言動には細心の注意を払わなければいけないというところが非常に辛いところです。
特に新型コロナウイルスの影響で家族全員が家にいることが多くなってから、更に気を張っていなければならない時間が増えてストレスを感じます。
しかし最近ではこうして文章にしたり、カウンセラーさんや周りの友人に話すことによって心が落ち着いてきている感覚があります。
私の父の行為をモラハラだ、理不尽だと思うか、思わないかはもちろん皆さんの自由です。
モラハラに限らず、私よりももっと大変な境遇でつらい思いをしている方もたくさんいらっしゃるでしょう。
しかし、この文章をきっかけに、家庭内での言葉の暴力、支配的な言動も立派なハラスメントだと感じてくださる方が1人でも増えれば嬉しい限りです。
もしあなたがモラハラを受けているかも知れないと感じたら、またあなたの周りの人がモラハラ被害に遭っているかも知れないと思ったら、ぜひ行動を起こしてください。
モラハラについて調べてみる、友人やカウンセラーに相談する、あなたの周りの人が被害を受けているのであればその人に寄り添う、など小さな行動がモラハラによる心の傷を癒すきっかけになります。
そして、あなたが自分に有利な立場を作るために咄嗟に強い言葉を使いたくなったり、本心ではなくても相手を傷つけるようなことを言いたくなった時は、一瞬立ち止まってその言葉の重みを考えてみませんか。
1)https://kokoro.mhlw.go.jp/glossarycat/mentalhealth/#mentalhealth-ma
2)https://allabout.co.jp/gm/gc/480429/

大学4年生。海外旅行に行きたくてうずうずしている。コロナ自粛で増えた体重を少しでも減らすためにダイエット中。