SURGERY in New Zealand

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こんにちは。ここで初めて記事を書かせていただく近棟晴太(Haru)です。

私は2020年の1月からニュージーランドに留学にきていて、日本では高校2年生です。出身は東京で16歳です。私は体を動かすのが好きで、ラグビーとレーシングカートのレースをしています。

 

私がこの南半球の島ニュージーランドに来てから、初めて経験することがたくさん起こりました。明るい思い出ももちろん、暗い思い出もあります。例えば、コロナウィルス。ニュージーランドでは3月25日から5月13日まで、ロックダウンと呼ばれた自宅待機時間があり、そのこと自体に混乱していたり自分でコントロールできないことに悩まされていたりする時間が割とありました。対照的に、自分のホストファミリーではない家族と旅行に行ってみたり、いろいろな日本ではできない経験をこの時間に経験したりすることもできています。

そして2020年9月7日、もっと今まで経験したことがないようなことが起こりました。それは盲腸の手術です。その日は月曜日で、その前の金曜日からお腹の右下側が痛かったのですが、気にせずラグビーを土曜日にし、日曜も普段どおり友達と遊んでいたら治るかと考えていましたが治らず、看護婦のホストマザーに痛みについて聞くと、“盲腸かもしれないから明日病院に連れていくね。” と伝えられました。

今回の盲腸の手術と入院については全く予期していないいきなりのことであり、本当にびっくりしました。でもそれが自分の経験になりそれで体が良くなるならと割り切り、人生って本当にいきなり何かが起こるなとわかっていたつもりでしたが、また思い知らされました。

ここでは、自分が今回経験した16歳での盲腸、留学先での入院や手術について皆さんに共有することで、もし盲腸になってしまった人がいたならば読んで安心して欲しいですし、こういうことがあるんだということをできるだけ多くの皆さんに共有して、自分の経験をプラスに変えられたらなと思っています。

 

私が経験したのは留学先での盲腸です。

9月6日の夜にお腹の右下側が痛いとホストマザーに伝え、翌日7日の朝ホストファザーに病院に連れて行ってもらいました。

GPと呼ばれる小さい病院への初診で、手術がほぼ確定になりました。そこから大きな病院まで車で行き、エマージェンシーの場所で受付、そして自分の症状についての説明をして尿検査と血液検査をしました。その後ドクターがいるフロアまで看護師さんと行き、個室に入りました。ドクターにはその場で『血液検査と尿検査の結果から虫垂炎(appendix)の可能性が高いので、取り除いたほうが今後のためなので』と説明されました。その後細かい手術についての説明を受け、体のどこの箇所が痛いのか、そして他の体の部位までチェックしてもらい盲腸であるということが確定したため、手術の承諾書のサインを自分で書き、保護者の分はホストファザーに書いてもらいました。

その後は手術待ちベッドに案内されて、ホストファザーがついてくれていたのですが、彼の友人に遭遇。こういうことはニュージーランドでは結構多いみたいです。そこから15分ほどすると着替えて手術の準備をしてくださいと言われたので、着替えてから何かバクテリアを殺す薬剤を入れると、体に変な感じが伝わりました。それが14時40分のこと。家を出てGPと呼ばれる小さな町の病院に行ったのが9時のことなので、わずか6時間弱で手術の準備となったことになります。私は少しびっくりして、まだ心の準備をしていないのにという感じでした。

 

そこからは手術室(theathe)と呼ばれるところまでベッドで運ばれ、映画やドラマで見たことのある風景が私の上にあって、手術前にいろいろしてくれる看護師やドクターの人に “I’m literally nervous.” (すごく緊張しています)や “I’m shaking.”(私は震えています) などと気持ちをできるだけ人に伝えて、自分を落ち着かせていました。手術室に入ると、麻酔を打たれ頭の中がぐるぐるする感じでした。麻酔が完全に効いたかを確かめるドクターがたまたま友達のお母さんで、その人と話しているといつの間にか手術は終わっていました。人生初そして留学先ニュージーランドでの手術は不安な気持ちが多かったですが、

”The operation was successful.“(手術は成功しました)と言われてほっとしました。そして目がはっきり覚めたのは19時頃、看護師さんに夕飯を食べるか聞かれ、日本ではありえないなと思いながらもお肉と野菜の機内食のような夕飯を済ませた頃には、ホストファザーとマザーがお見舞いに来てくれて、そこで感謝の言葉を伝えました。そして私をケアしてくれた看護師さんはとても優しく、しかもアジアの人だったのでたくさん話しました。どこから来たの、どうして看護師になったのなど質問したり話したりして盛り上がりました。手術後、起きた後は1時間ごとに血圧と心拍数の検査があり、起きている時間は毎回測られました。そして翌日の朝、朝ごはんを食べすぐ退院ということで、それがニュージーランドでは普通だよと言われてまた少しびっくりしましたが、医師から保険についての証明の紙を忘れずに書いてもらい、無事退院しました。手術直後から歩いてトイレに行っていいよ、歩くと体の治りも良くなるからと言われましたが当然歩くのは痛く、翌日の退院の時にもとても痛く、ホストファザーにゆっくり歩いてもらい車で家まで帰りました。

 

学校に絶対行ってはいけない期間は1週間のみで、運動は4〜6週間禁止と言われました。

 

私がこの手術で一番嫌だったのは、『あいつ盲腸になったの?みんな笑ってたよ。』と日本の友達にまるで私が不注意で怪我をしたかのように軽々しく言われたことです。ニュージーランド人の私の友達などは、何もジョークなどを言わず、

”Are you all good?”(大丈夫?)と最初に学校に行った時に優しく話しかけてくれたので日本人の友達や先生とは違うなと感じました。そして、自分を笑ってきた人に対してはそれってすごい私にはどうしようもないことで病気なのに、それを笑うというのは寂しいな感じました。そういったことはジョークとして裏でいう分には許されるかも知れません。しかし、言われた私はいい気持ちはしませんでした。なぜならみんな何かの病気にかかるリスクはあり、たとえ盲腸であっても悪化すれば腹膜炎といったもっと深刻な病気に発展する可能性もあるそうなので、個人の感想ですが誰かの病気に対して笑うのは人としてあってはならないような気がします。しかもそれに関しては誰の特にもならないので自分も言わないようにしたいです。

 

こうしてあっという間に終わった一回の手術も、自分一人で病院に行ったり全て一人で説明などを受けていたらもっと辛かったと思いますし、ニュージーランドの医療システムを理解していない私には不可能なことでした。そして自分のホストファミリー、学校の先生、エージェントやアドバイザーさんに助けられ、こうしてどうにか手術を乗り越えることができました。特にホストファザーは月曜日は私に一日中付き合ってくれて、私が心配そうにする度に悪いものを取り除くだけだよ、だから大丈夫。”Believe in yourself!”(自分を信じて!)、Be confident!(自信を持って!)といった優しい言葉で隣で励ましてくれました。そのおかげで、手術前には笑顔で “Laters!!”(あとでね!!) と言って手術に向かうことができました。

あまりこういった機会にしか人に頼ったり甘えたりする機会はないですが、自分も誰かが病気や入院や手術といった体の問題で困ったり不安になっているときは、その誰かに寄り添っていることができる存在になりたいです。そしてこの記事を読んでいるあなたも、誰かがこのような形のものや何かいろんな困難(病気はもちろんですが、勉強、スポーツ、恋愛など)に直面していたら、できるだけそばに寄り添ってあげたり、メッセージを送ってあげたりといったことをしてあげてください。その一つのメッセージがその人の勇気や力に変わります。

 

こうして私のように自分の家族が同じ場所にいなかったり、第一言語とは違った言語の場所でいきなりの病気は必ずとは言いませんが可能性は誰にでもあり、何かあっても絶対大丈夫で、それがどんな国でも、もちろん日本でも絶対大丈夫なんだということが伝えられたらなと思い私はこの記事を書きました。それと同時に、日本と私が今いるニュージーランドの医療の違いなどもはっきりしているなと感じました。日本ならもう少し慎重に経過を進め、少なくとももう少し長い入院期間になるでしょうし、ご飯も手術後2時間では食べることはないと思いますがそういったところに医療の違いがありました。その違いの背景には、ニュージーランドでは虫垂炎になる前から手術をして取り払う人が多い事、そして体の違いかもしれませんが全ての回復力がこちらの人と違うということも今回の経験で再確認することができました。過去にも同じニュージーランドでアキレス腱を少し痛めた時もあまり何も気にせず普通にしていたら1週間で治るよとラグビーのトレーナーに言われて痛みがなくなるまで3週間かかるようなこともありました。なので医療のサービス違いの背景には体や文化の違いがあることもよくわかりました。今回、私がこの記事を書いているのは手術から6日後の9月13日ですが、だんだん体は回復してきて、今日は外に出て散歩をすることができました。

 

これからも留学に関しての記事や、自分がニュージーランドでしている活動などについての記事も書いていこうと思うので、よろしくお願いします。


 

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