投書欄のすゝめ

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みなさんは新聞に載っている投書欄ってご存じですか?

新聞の読者が、誰かに伝えたいこと、訴えたいことを応募して載せるページです。

声を発信できる場所という意味では、VoYJにも似ているかもしれませんね。

 

私は小さな頃から、投書欄を読むのが好きでした。

住んでいる場所も年齢も違う、会ったこともない人たちがどんなことを考えているのか、手のひらに収まるほどの小さな記事を読んで、思いを馳せる時間が大好きでした。

 

自分と同年代の人の投書を読んで、「ああ、そうだよね!」と共感したり。

祖父母ほど年齢が離れた人の投書を読んで、「へえ、こんなことを考える人もいるんだ!」と新鮮な気持ちになったり。

記事の向こうにいる人たちがどんなことに喜び、悲しみ、違和感を持ち、誰かに伝えたくなるのか感じ取ることで、見知らぬ人を少し身近に感じていました。

 

いわゆる新聞記事に載るような、大きなニュースになるような人ではなくて、普通の日々を送っているであろう平凡な人たちの確かな息遣いに勇気をもらっていました。

それは、自分の人生が平凡であることに悩んでいたからかもしれません。何かが優れているわけでもなく、注目してもらえるわけでもない、けれど人間関係のことも、進路のことも、日常生活のいろいろなことも、大変なことはたくさんあって、無意識のうちに生きにくさを感じていた日々。そんな日々の中で、きっと同じように平凡だけれど困難な日々を送っている人たちが、それでも確かな足取りで一歩一歩、踏み締めるように人生を歩んでいることに、どうしようもなく励まされたのです。

 

たくさんのニュースの中で埋もれてしまいがちな投書欄ですが、新聞を読む合間に目をとめて、見知らぬ誰かに思いを馳せてみませんか?


 

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