「国際学類に所属しています。」
と言われたら、どんな風に返しますか?
よく言われるのは、「じゃあ英語できるんだ!」「将来外交官になるの?」「海外で働くの?」とか。
実際わたしも高校時代に海外に興味を持ち、国際協力がしたいと思ったことがきっかけでこの学部に入りました。
しかし大学に入り、日本の外側を知るにつれて、
「まず日本の中にある問題が多すぎないか!?」
と思うようになりました。
これは私の感覚ですが、日本人って、「日本はめちゃくちゃすごい国だ!」と思っている人が多い気がします(特に中高年以上の方々)。
実際、「日本のここがすごい!」みたいなコンセプトのテレビ番組があったような、、
「クールジャパン」って自分で言っちゃってるし!
確かに道はきれいだしテクノロジーは発達していますよね。
でも、それ以外ではどうでしょう?
例えば、私の関心ある分野、教育に焦点を当ててみます。
『AI vs.教科書が読めない子供たち』という本を夏休みに読みました。
「AIは東大に入れるのか?」という10年計画のプロジェクトを行いながら、日本の教育の問題点について述べている本です。
そのAI「東ロボくん」にセンター試験を解く能力を身につけさせていった結果、このプロジェクトが始まってから5年後、なんと東ロボくんはセンター模試で偏差値57をとってしまいました。
恐ろしい、、。
センター試験というのは、AIでも平均以上のレベルをとれてしまうテストなんです。(あんなに必死に勉強したのに!)
AIの得意分野は、記憶。
苦手分野は、読解、思考、です。
「あ、私もAIと同じだ。」
そう思った人、多いんじゃないでしょうか。
そりゃそうなります。そういう教育を受けてきたから。
日本では「AIに近い子」を「優秀な子」として教育してきたのです。
うーん。
日本って本当に「すごい国」なのかな。
他の例を見てみましょう。
最近見た映画『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』は私にとって衝撃でした。
マイケル・ムーアが様々な国に行き、アメリカが見習うべきところを伝えるドキュメンタリー映画です。
簡単にまとめると、
イタリアでは有給が年に80日、昼休憩は二時間(!)。
フランスでの詳しい性教育。
ノルウェーの刑務所の社会復帰を目指す姿勢。
アイスランドの女性の社会進出、、、
など、日本にもないものばかりが取り上げられていました。
これらはすべて、技術やお金などではなく、
「心の豊かさ」
に焦点を置いたものであると思います。
教育の話に戻りますが、日本では自分の意見を言ってそれが認められるという機会が少ないので、他国の子供に比べて自尊心がとても低いそうです。
これも結局は「心の豊かさ」を蔑ろにしてしまった例ではないでしょうか。
そして、自分の言葉ではないのですが、ここ最近感じていた日本へのモヤモヤを表してくれた言葉があります。
——日本は「思想」という点では後進国。
Twitterでこの言葉を見たとき、本当にその通りだと感じました。
思考力を養わないとAIに負けてしまう。
「思想」を柔軟に変えていかなければ、他国から取り残されてしまう。
日本はいい国だと思うし、私は日本が好きです。
でも、だからこそ、数年後、日本が落ちぶれていく姿を見たくないのです。
小さなことに関しても、「考える」ことを諦めずに。
心も豊かな国、日本にしていきませんか?