ザコ院生の生き残り方

教育/学校
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これは全く自慢になりませんが、私は学部時代(*1)にほとんど勉強してきませんでした。

おそらく授業に出た時間よりも道場にいた時間の方が長かったと思いますので、柔道部卒といっても過言ではありません。現在ゼミで輪読しているのは「計算論的神経科学」(*2)という本ですが、学部の頃はそこに太字で書かれた文字がベクトルだということさえ気付いていませんでした。

昨年の春から院生になりましたが、大学院でも私は頭の回転は速くないですし、これといった解析やプログラミングのスキルもなく、投稿論文を書いたことも学会に出たこともないので、ザコ院生といっても差し支えないと思います。加えて、大学院進学率のそこまで高くない自分の専門分野では、院進する人は優秀な人ばかりなので、相対的にザコになっているというのもあります。

しかし、ザコにはザコなりのやり方があるもので、生き残れないということはありません。基本的な論理的思考力さえあれば、あとは意外と何とかなります。例えば、英語が読めないならGoogle翻訳を使えばいいですし、プログラミングができないなら既存のパッケージを借用すればいいですし、大抵のことはググればわかるし、何をしたらいいかわからなければ研究室の先輩や研究員に聞けばいいでしょう。

ところが、周囲の人の知恵を借りるのはザコ院生にとって極めて重要であるにもかかわらず、私自身はあまり人に助けを求めるのが得意ではありませんでした。学部時代に自分から先生に質問することもほとんどなかったですし、基本的に何でも独力でやろうとするタイプでした。質問をしなかったり、人に助けを求めないことの裏には、「迷惑をかけたくない」とか「できないやつだと思われたくない」という心理があったと思います。

しかし、今期の前半に研究計画を作ってはボツになるというのを散々繰り返したのち、ついに研究員の部屋をノックして助けを求めました。その後、2人の研究員と3時間くらい研究計画についてディスカッションして、ようやくおぼろげな道筋が見えてきたような気がしました。

それ以来、恥をしのんで周囲の人に助けを求めるというのは、自分の1つのテーマになっています。また、「自分はザコ院生なのだから、優秀な人と同じやり方をしてはダメだ」とザコ院生であることの自覚を強く持つようになりました。 

基本的にザコはザコなりの戦い方があるので、優秀な人と同じやり方をしていてはいけません。柔道で例えると、インターハイ王者に立ち技で真っ向勝負を挑むようなものです。強者にとって正攻法はベストですが、ザコにとっては必ずしもそうではなく、いろいろと工夫しながらその場をしのぎつつ、実力自体も少しずつつけていけたらいいなと思います。

ここまで「ザコ院生の生き残り方」を書いてきましたが、実は私は本格的な実験はまだこれからといった段階で、実験、分析、執筆などの多くのフェーズを残しています。私が本当に大学院で生き残れたかどうかは一年後の審判となる修士論文提出を待たねばなりませんが、ザコでも研究はできることを身を持って証明したいと思います。

*1 大学1年生〜4年生までの間。

*2 数式がいっぱい載ってるすごく面白い本。

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