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突然ですが、愛媛県は言葉が溢れるまちです。
正岡子規や夏目漱石にゆかりがあることにちなんで、「ことばのちから」という事業が展開されていて、まちの至る場所、例えば、バスや市内電車、道路わきのタペストリーに「ことば」が書かれています。
それを見て思いました。
言葉には、記憶が宿っているのです。
例えばですが、「愛してる」という言葉に何を感じますか。
ドキドキする、寂しくなる、冷める、歌い出してしまう、温かい気持ちになるなど、感じることは人それぞれでしょう。言葉に記憶が宿るというのは、こういうことです。
ところで、夏目漱石が、“I love you” を「月が綺麗ですね」と訳したという伝説は有名です。読者の皆さんなら、“I love you” をなんと訳しますか。
・・・訳せと言っておいてなんですが、日本語話者にとっての愛してるという気持ちは、日本語の「愛してる」という言葉が一番しっくりくると思います。愛してるという名前の気持ちですから。
気持ちは言葉に依存しているのです。そして、その言葉には私たちの記憶が刻みこまれています。
この嬉しい気持ちは、いつの「嬉しい」からきているのか。
気持ちから言葉を紡ぎだすのではなく、言葉から気持ちを眺めてみてください。
もしかしたら自分は思っていたよりも幸せ者かもしれませんし、もしかしたら、昔の何かが今の重荷になっているかもしれません。
あなた様の気持ちが、少しでも温かく、明るくなればいいなと思います。

広島県出身、愛媛県在住、大学生。
こっちも、だんだん寒くなってきました。(10月末)
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