大学生におけるバイトとボランティアの意義

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【バイトとボランティア活動の実態】

「大学生になったらバイトをする!」

高校生からそう決めていた学生も多いのではないでしょうか。総合求人サイト ”an” によると、平成26年度の大学生4年生の92.2%はバイトの経験があると答えています。大学生になったらバイトをするのが当たり前という時代になっていると言えますね。筆者自身、大学卒業まで約3年間ずっとバイトを続けていました。時には週6日働いたり、2つ掛け持ちをしたりと大変でしたが、そこから学ぶことはとても多かったと感じています。

バイトに関しては、 “an” の公表している「若年層白書2014」がとても興味深いので、是非一度ご覧下さい。

https://weban.jp/contents/wakamono/jakunen2014_pc/03/

an”若年層白書” バイト経験率

そしてボランティア活動も、興味を持っている人が多い活動だと思います。高校の部活動や大学のサークルにもなっていますね。日本財団学生ボランティアセンターが1万人に対して行った2017年の調査では、過去1年間の中でボランティア活動をしたことがある学生は約27%ですが、「興味はある」と答えた人は、約61%でした。時間的制限、情報の少なさ、お金の問題などで活動はできなくとも、多くの人が活動してみたいと思っているようです。この調査では、ボランティア活動に関して他にもたくさんの結果が掲載されているので、是非一度ご覧下さい。

http://gakuvo.jp/about/newsrelease/

 

「ボランティアへの意識と行動のずれ」

お金を貰いつつ働くバイトと、お金を貰わずに活動するボランティア。一見全く逆のものに見えますが、実は大学生における両者の重要性は、根本的な意味では同じなのです。今回は僕の4年間の経験と考えを元に、バイトとボランティアをする意味について述べさせていただきたいと思います。

【専門的社会スキルを身につけられるバイト】

バイトをしている皆さん、またはバイトをしようと考えている皆さんにとって、バイトをする意味ってなんでしょうか。「お金を稼ぐこと」はもちろん、一つの正解です。ボランティアではないのですから、お金を稼げることはとても重要なことです。しかし僕は、大学生においては「社会経験を積むこと」も、同じかそれ以上に大事なことだと思います(同じように思っている方がたくさんいるのは承知いたしております)。

大学に行くためにはかなりのお金が必要です。だからこそ、大学生活の中で自分の知識と経験を高め、将来良い会社に就いたり、やりたい仕事ができるように努力することが大事だと思います。そのためにはやはり、大学生のうちに社会経験や社会スキルを身につけることは必須でしょう。“学生は学業が本分”、というのはそうですが、学校の勉強に限らずたくさんの分野で勉強することが、大学生に求められていることだと思います。

そういう意味で、バイトの存在は大きいと感じます。社会人と一緒に働き、働くことの厳しさや楽しさを体感しながら社会に必要となるスキルを学ぶ。接客などからコミュニケーション能力や社会マナーを身につけ、大人として成長していく。それらは決して大学の授業などだけでは得られないものです。バイトはある程度長い期間することが多いので、そのスキルを深められるのも特徴ですね。バイトをするお店、頻度や期間は人それぞれのため、バイトを通して学ぶことは違ってくるでしょう。でもそれに良い悪いはありません。バイトを通してどれだけ成長しようとしたか、そして成長出来たかが大事なのです。

つまりは大学生におけるバイトとは、社会に出て働くためのスキルを身につけるための一つの手段ではないかと、私は考えます。バイトをするときは時給はもちろん、自分に必要なものは何かを考え、バイトを通してどうすれば自分が成長できるかを考えてもらえたらなと思います。

【たくさんの社会経験ができるボランティア】

大学生活におけるボランティア活動も、とても重要なことだと考えています。日本では社会団体や高校、大学などで活発に行われており、世界にはボランティア活動を趣味として、市民の多くが積極的に活動する国もあります。一般にはボランティア活動ではお金は稼げません。参加費がかかる場合も多いです。お金に苦労する大学生にとって、これは大きな負担です。しかし、お金はないけど時間はある大学生だからこそ、ボランティア活動は重要なのです。

先ほど述べたように、ボランティア活動は世界的に見ても活発で人気のある活動と言えます。それらは社会問題や大人・子どもに関わらず、様々な分野のボランティア活動があります。私は、ボランティア活動を通して実際に働いている人たちと一緒に活動することは、それだけで立派な職業体験となるのではないかと考えています。

活動内容や程度こそ違えど、社会の中で活動するということは、それ自体が社会経験になるのです。もしかしたらその経験が、将来の職業選択に関わってくるかもしれません。もしかしたらその経験が、将来の仕事の中で活きてくるかもしれません。確かにボランティア活動ではお金は貰えないかもしれませんが、逆に言えば、お金をあまり使わず、短期間で色々な活動に参加できるボランティア活動は、知識と経験を増やすためにとても有効な活動なのです。だから、社会に出る前の大学生には、ボランティア活動が大切なのです。

もう一つ大事なことは、活動を楽しむこと、充実した活動をすることです。

ボランティア活動は本来相手や社会のためにする活動です。そのためには一生懸命活動し、自分も楽しむこと。積極的に楽しんで活動すれば、相手も喜んでくれると思います。災害ボランティアなどでは、楽しくは活動できないかもしれません。しかし、充実したと思えるほど一生懸命活動することができれば、とても大きな貢献になるでしょう。私は、「ボランティア活動は相手のために、自分のために、楽しく行うもの」と常々思っています。楽しく活動して、自分が成長でき、そして相手にも喜んでもらえる。それはとても幸せなことだと思います。

 

【自分を成長させてくれる活動】

バイトとボランティア活動、これらは一見真逆の活動に思えます。しかし、「自分を成長させてくれる活動」としては、どちらも同じものなのです。大学生だからこそ、様々な社会経験を積めるボランティア活動と、専門的社会スキルを身につけられるバイト、どちらもするべきなのです。社会に出て働き出したら、忙しくてそんなことできなくなるかもしれません。仕事に手いっぱいで、新たな活動を始めることができないかもしれません。時間がある大学生だからこそ、お金にとらわれず、楽しみながら知識や経験を積み、自分自身を成長させて欲しいと思います。


〈出典〉

Benesse 入学から卒業までにかかるお金(2) 学費編
https://manabi.benesse.ne.jp/parent/okane/02/page2.html

an若年層白書2014 「いま」のライフスタイル
https://weban.jp/contents/wakamono/jakunen2014_pc/03/ 

日本財団学生ボランティアセンター
http://gakuvo.jp/ 

日本財団学生ボランティアセンター 全国1万人~ボランティアに関する意識調査2017~
http://gakuvo.jp/about/newsrelease/ 

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