UNICEFヨルダン事務所インターン 角掛由加里さん【前編】

インタビュー
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UNICEFヨルダン事務所でインターンのご経験をされた角掛由加里さんのインタビューを全2回に分けてお送りします。角掛さんには、今までのキャリアやヨルダンでのインターンのお仕事、若者へのメッセージについてのお話を伺いました。前編の今回は、UNICEFでインターンするまでのキャリアとヨルダンでの暮らしについてお届けします。

 

– 国連やUNICEFにはもともと興味があったのですか。またそのきっかけ等はありますか。

 

話は幼少時に遡(さかのぼ)るのですが、父親の仕事の都合でカリフォルニア州に2年間ほど幼稚園から小学校にかけて住んだことがあり、その際に「日本以外の国があるのだな」「いろんな人種民族の人が共存する世界があるのだな」という、ぼんやりとした世界観ができました。また、私が高校生の時に、大学生の兄がバックパッカーでアジアやアフリカへたくさん旅をしていたのですが、帰ってきた時に話を聞いたり写真を見せてもらったりするうちに、途上国についても知り、それから貧困に苦しむ子どもたちがいることを意識するようになりました。

 

もう一つは、『世界がもし100人の村だったら』という本との出会いです。その本を訳された池田香代子さんは高校の大先輩でした。その本は「現在70億人いる世界がもし一つの100人の村だったら」を想定して、例えば、「〇〇人が1日1ドル以下の生活をしています」というようにわかりやすく教えてくれます。私はこの本を読んだ時にかなり衝撃を受け、自分がどれほど恵まれた世界にいるのかを実感し、漠然と将来は世界の困難な立場に置かれる人のために何かできたらと思っていました。

 

大学卒業時点で国連への憧れはありましたが、具体的にどうしていいかわからなかったため、まずはとにかく働いて社会人としてのスキルを身につけようと思い、民間企業に就職をしました。合わせて2社で働いたのですが、その頃はかねてから関心のあったシリアでの紛争が激化していたタイミングでもあり、世界ではそんなことが起きているにも関わらず、私は平和で恵まれた環境にいて、紛争や貧困で苦しい立場に置かれた人々のことは気になりつつもニュースを追って状況を知ることしかできないことに、この先もこのままでいいのだろうかと自問自答しました。その結果、そのような人々に対して直接支援をする仕事がしたいという気持ちが強くなり、この先のキャリアの礎を築くべく大学院に進学しました。その後、大学院生を対象とする日本ユニセフ協会の海外インターン事業に応募し、UNICEFヨルダン事務所でインターンとしてシリア難民を含む青少年の支援に携わり、今こうして戻ってきてみなさんとお話をしています。

 

– 直近では外資コンサルにいらしたのですね。会社をやめて大学院に入り直すことに壁は感じませんでしたか。またこの後のキャリアについてはどのようにお考えですか。

 

それは友人などにもよく聞かれますが、とりあえずやってみて、もしうまく進まなかったらその時考えれば良いという楽観的な気持ちで臨みました。挑戦しなかった時に、3年後の自分がどう思うかを考え、後悔するかもしれないと少しでも思ったら、やらないよりはやってみた方が良いと思うようにしています。これは私がこれまでの人生の中でも大切にしてきたことで、やっぱりそれが今の自分がやりたいことだと思ったら、とりあえず一歩進んでみる。違ったらその時考えようというマインドでここまできました。

 

今後ですが、実は外務省の平和構築人材育成プログラムのプライマリーコースに研修生として選んで頂けたので、来週から1)5週間国内研修で広島に行き、平和構築および開発分野の専門家に講義を受け、今春以降に国連ボランティア(UNV)として1年間、国際機関で働く機会を得ました。どこの機関への派遣になるかはまだ決まっていませんが2)、困難な状況に置かれた青少年や子どもたちの支援に関わる任務につけたらと思っています。

 

– ヨルダンでインターンされたとのことですが、ヨルダンの文化は日本やアメリカとはかなり違うと思います。どのような印象でしたか。

 

そうですね、中東に行くのは今回が初めてだったので、正直結構ビビりながら行きました(笑)実際に行ってみると、ヨルダン人はとても陽気で話し好きな印象を受けました。宗教に関しては、9割がムスリムでありながらも1割はキリスト教やその他の人がいます。中東=敬虔なムスリム、というイメージがあるかもしれませんが、ヨルダンでは専売店に行けば豚やアルコールも売っていて、少なくとも首都のアンマンにいる限りは、宗教的にもかなり寛容な印象を受けました。そういった意味でもそれほど大きなカルチャーショックはなく、生活や仕事ができたかなと思います。

 

– 文化の違いの中で特別に気をつけていたことはありますか。

 

郷に入っては郷に従えではないですけれど、人々の心の中に飛び込むには現地の人が喋っている言葉を少しでも勉強する、もしくは、しようと努力する姿を見せることが大切だと思い、セキュリティのスタッフに毎朝少しずつアラビア語を教えてもらっていました。その朝覚えた言葉を昼過ぎにチームのスタッフに使うと、喜んでもらえたり、話のネタになったりしました。

 

仕事面では、メールとともに口頭でも伝えるということを心がけていました。私が直前まで働いていた外資系コンサルティング会社ではメールがコミュニケーションのベースになっていて、メールだけで依頼を受けても素早く対応して仕事を進めることが当たり前でしたが、インターンとして働くうちに、ヨルダンではお国柄としてのんびりしたところがあり、かつ何事も直接話すことで仕事が円滑に進むということが次第にわかりました。そこで、現地採用のスタッフが9割を占めるチームで仕事をする上では、なるべく彼らの文化やスピード感、やり方を大切にしながら、自分なりのスタイルを築くことを意識していました。

 

ヨルダン、と聞いてなかなかイメージが湧かないですが、国の様子や生活まで語ってくださり、また気になる国が増えてしまいました。

後編では、インターンではどんなお仕事をしていたのかについて掲載します。合わせてお読みください。


1)インタビューは2019年1月17日に行われました。

2)2019年6月より、UNICEFインドネシア事務所にて、青少年とイノベーション分野で勤務予定。

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