写真1枚を大切に

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「これ撮ったとき、どんなこと感じてたの?」

人に写真を見せていたとき言われた、なにげない一言。今でも心に残る言葉です。

自分は本当にめんどくさがりやで、日記をつけたりするのは苦手です。大学生になってから一眼を買い、旅行したときは、なるべく写真に残すようにしていました。

旅行の途中だったり帰ったあとに、とっておきの一枚をインスタにあげるのも一つの楽しみ。“いいね”をたくさんもらうと、「あげてよかった」と嬉しくなります。

でも、写真を撮るとき、何を思っていたかという“自分”の気持ちはほとんど気にしませんでした。

   見たことのない景色が見たい

   旅行に行こう

   (旅行中)目の前の光景を写真に残したい

   (帰ったあと)もう一回思い出したい

   周りのみんなにも共有したい

こんな順番だったはずが、写真を撮る理由として、どんどん⑤が強くなって、③や④は薄くなっていました。

おもしろい写真を人に見せたい、

きれいな写真をSNSに載せたい、

誰かに見て欲しい…

そんなふうに撮った今までの写真は、もしかしたら、自分を通り越して、ただ“消費”されていったのかもしれません。

ここ行ったなあ、

これ美味しかったなあ、

この人面白かったなあ…

後日、旅行を振り返ろうとしても、思い出がいつのまにか写真に写る内容だけになってしまうこともあります。こうなると、大切な思い出の大部分がなくなってしまう!

目の前の人の純粋な興味から出た一言で、いろんなことに気づきました。

「すてきな笑顔で、思わず撮りたくなったんです…」

答えにつまっていると、こんなことを言ってくれました。

「写真を印刷して、撮ったときの気持ちを裏に書いておいたら?」

自分で撮ったものは自分で丁寧に残しておこう…

家に帰って写真を印刷し、撮ったときの気持ちとストーリーを書けるだけ書きました。

写真を印刷して、裏にメモする

おかげで、写真1枚がとても価値あるものになりました。写真を撮るときにストーリーも意識。今では、新しい写真の撮り方を楽しめています。

ちなみに、上の写真の裏はこんな感じになりました。

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2017年9月17日。リシケシュ。ガンジス川のほとり、夕方。

牛と遊ぶ子どもたちにカメラを向けたら、ポーズを取ってくれた。シャッターを切ってすぐ、“10 Rupee”と言われた。(商売上手!)と思って2人に渡すと、走って食べ物を買いに行った。自分も同じものを買って、3人で座って食べた。自分で稼いで買ったこどもたちは、本当においしそうに食べていた。言葉は通じなかったけど楽しい時間だった。

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