UNICEFタイ事務所コミュニケーション部チーフ Iman Morookaさん

インタビュー
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ライターの横山です。

 

7月末に、現在UNICEFタイ事務所のコミュニケーション部チーフとして勤務されているIman Morookaさんを訪問する機会を頂きました。

 

Imanさんは2006年からユニセフ・エジプト事務所で勤務し、4つの事務所を経て、現在タイのバンコクでお仕事をされています。昨年までカンボジア事務所で、立ち上げから3年間Voices of Youth(VoY)を担当されていました。

今回は、カンボジアでのVoYの経験についてお話を伺いました。

 

– カンボジアでVoYを始めたきっかけは何ですか?

ニューヨーク本部のコミュニケーション部が行っているVoY(https://www.voicesofyouth.org)には、オンラインのトレーニングがあり、emailを通じたトレーナーによるフィードバックをもとに記事のブラッシュアップを経て、世界中の若者が自分たちでブログをアップするという流れで行われています。

ある日、本部の人からカンボジアにVoYの素晴らしいブロガーがいるという連絡があり、彼女の記事をいくつか読んでみました。ものすごくよく書けていて、鋭い視点や洗練された英語にびっくりしました。彼女にすぐ連絡をとり、何とかしてコラボレーションできないか考えました。こうした経緯でインスピレーションを受けて、カンボジアでもVoYを展開してみないかという流れになりました。

 

– 実際カンボジアでVoYを始めるにあたって、懸念点や不安だったことはありましたか?

カンボジアに着任して間もなかったのですが、若者本人の身の安全も配慮したほうがいいという話がありました。どういった形であればうまくいくのかをよく検討し、ユニセフのスタッフがトレーニングやフィードバックすることで安全性を確保して始めることになりました。

 

– カンボジアのVoYのシステムについて教えてください。

せっかくカンボジアで行うので、本部とは違った、カンボジア事務所ならではの点として、対面式のトレーニングをしようということになりました。本部から教えてもらった先述のブロガーには、ボランティアという形で手伝ってもらいました。最初は選考に通った5人に、8週かけて、1週間に1ブログを目安に、事務所に来てもらいながらレーニングを行いました。そこでブロガーのフィードバックを経て、ユニセフ・カンボジア事務所のブログのページの中にVoYのページを作って掲載しました。

 

– VoYへの反応はどうでしたか?

若者ならではの視点がとてもフレッシュで大胆で(例えば、子どもの時に父から受けた暴力について書いたブログや、カンボジア社会における同性愛について書いた記事など)、すごく感動しました。これがすごくうまくいったので、次の年からは規模を広げてブロガーの選考枠を10人に増やし、トレーナーには既に国内で活躍していたブロガーをコンサルタントとして雇うことができました。2016年に開始し、2017年、2018年と続けて行なってきました。

最初の3年間は、コミュニケーション部の小さなプロジェクトだったのですが、子どもの保護、教育、ソーシャルポリシーに並ぶプログラムのセクションとして価値があるとみてもらえました。どうしたらスケールアップして持続的にできるかという話をしたり、予算もつく規模になっていました。

カンボジア事務所のソーシャルメディアのプランにVoYのプロモーションも組み込んだり、NGOの人たちやイノベーション関連の方と話して、どうしたら多くの人に読んでもらえるか、これを長く続けていくのにどうしたら良いかというのを考えました。クオリティーなのか、量なのか、答えのない問題だと思います。

カンボジアでは2年目以降にVoYの評価を行いました。実際に関わってくれたブロガーさんに、何がよかったか、どう改善できるかを聞いて、3年目の活動に生かしました。

 

 

– タイに移って来られて、これからVoYを始める計画はありますか?

やってみたいですね。チームにカンボジアでの経験を話したりしています。ユースの参画はタイの方が進んでいて、U-report(UNICEFが世界62か国で運営する、若者を対象としたデジタルコミュニケーションプラットフォームU-Reportに関する和文記事として、他国事例の記事ではありますがご参考までにこちらもご覧ください。https://www.unicef.or.jp/news/2014/0166.html)の導入も進んでいます。今はそれをより多くの若者に広げていくというところを努力しています。9月に若者のキャンペーンを始める予定で、VoYという形ではないですが、「若者の声」をいろんな形のコンテンツにしてソーシャルメディアで広めたり、既存のメディアとのコラボレーションを考えています。今年はちょうど子どもの権利条約採択30周年の記念の年なので、これに合わせて大きなキャンペーンが世界各地で行われるはずです。

 

– お話を伺っていると、カンボジアやタイでは若者の活動が活発なように思うのですが、日本でVoYJについて多くのユースに知って、関わってもらうにはどうしたら良いでしょうか?

カンボジアの例をお話しすると、最初の年には5人の枠に60人、翌年には100人応募がありました。大きな要因としては、大学生のブロガーを通じて、口コミで広がったことにあると思います。ですから、もしこれを応用するとすれば、VoYJで掲載されたら、ライターさんのソーシャルメディアを通じて広めてもらうのは良いかもしれません。

また、学校を通じてアナウンスすることもあります。この活動に参加するとこうした良いことがありますよ、と学校を訪問してプロモーションすることもやりました。またソーシャルメディアを通じたプロモーションや、有名人のサポートも大きいです。

 

– すごく素敵なアイデアをありがとうございます!

また、何かのきっかけと関連させて記事を募集するのもアリかもしれませんね。例えば、「パリで温暖化のサミットが開かれるので温暖化に関する記事を集めます」など、何かのテーマを作って応募してもらうとか。

 

– そうですね。なんでも自由に書いてくださいと言われると迷ってしまうけれど、何かテーマがあると書き始めやすそうです。

他にも、アイデアレベルですが、他の国のVoYのブロガーさんをインタビューすると面白いかもしれません。

 

– そうですね!せっかく世界にVoYがあるので、どんどん広げていけると良いなと思います!ありがとうございます。

 最後に、日本のユースにメッセージをお願いします。

 

今の若者をみて、自分の子ども時代に比べたら、リソースも機会もたくさんあるぶん、チャレンジもたくさんあると感じます。それでも、VoYのような機会を利用して、どんな問題があるのか、どう解決しようとしているのかを教えて欲しいなと思います。解決策は大人がユースに押し付けるものではなく、皆さんが自分たちで切り開いていくものだと思うからです。VoYは、安全なスペースなので、ぜひユースのみなさん、大胆に発言してみてください。

 

★お話を伺って★

VoYJの立ち上げから1年目があっという間に終わってしまって焦りもある中で、VoYJの直面している課題に対して、カンボジアのVoYでの経験を元にたくさんのアドバイスをいただきました。頂いたアドバイスの中には帰国後すぐに実践に移しているものもあります。

これからVoYJを進めていくにあたって、日本のユースの特徴についてもっと知り、今後の活動の方向性を考える際に生かしていきたいと思います。またVoYJに関わってくださっているライターや読者の皆さん、事務局メンバーなど多くの人の意見を聞いて、VoYJの2年目を充実したものにしていきたいと思います。

Imanさん、この度は大変お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。


 

 

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