気がついたらね、手袋片っぽなくなっていたの。
右手はここ。左手はどこかに行っちゃった。
だからね。右手だけはめて、左手はだかで、探しているの。
右手、かわいそうね。はめているから何を思っているのか、わかるの。
左手、元気かな。いまごろどこにいるのかな。
ぼくときみとでセットなのに。
ごめんね。すぐにぼくが見つけてあげるからね。
左手、かわいそうね。はなれているけど何を思っているのか、わかるの。
右手、元気かな。いまごろおうちに戻ったのかな。
ぼくときみとでセットなのに。
ありがとう。いまはぼくのぶんもあたためてあげて。
右手袋、うんってうなずいて、わたしの左手も入れてくれた。
【A Nursery Rhyme】A Lonely Glove.
I found one glove was missing.
The right-hand glove is here. But where is the left one?
So, I am looking for the lost one with my right hand in a glove, and with my left hand bared..
I know how you feel, right one, because I wear you.
“Is the left one fine? Where are you now?
You and I are a pair, but we’re not together now.
Sorry. I will find you soon.”
I know how you feel, left one. Even though you are not here.
“Is the right one fine? Where are you now?
You and I are a pair, but we’re not together now.
Thank you. For now, warm her twice as much, instead of me.”
Right-hand glove, you nodded, and gently let my left hand in yourself.
VoYJ運営部員、東京大学UNiTeメンバー。小説を書くのが好きで、将来の目標は小説の力で平和な世界を作ること。「作者は読者が納得したのであれば、どのような解釈であれそれでよしとしなければならないのです」という祖父の言葉を座右の銘に、日々修行しています。広島県出身で、地元の自然豊かな風景が自慢。