宇宙に「きっかけ」を灯す

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新型コロナウイルスから始まった2020年。
経済や文化が停滞する。人種や民族間の分断がますます加速していく。
そんな時代に、人と人が出会い、つながり、
共に生きる未来は、
どうすれば描いていけるだろうか。

宇宙に向かうこと。それは人類が連帯できる数少ない夢だ。
いまだかつて、人類が炎を囲んだことのない宇宙に、
共生への願いを込めた炎を掲げたい。
とてつもなく大きな地球を前に、今にも消えそうな炎が、
それでも確かに灯っている。
そんなイメージを世界中の若者と一緒に描くことが、
新しい共生の火種になることを信じて。

 

今、「Earth Light Project」というプロジェクトが進んでいます。これは若者の力で宇宙に炎を掲げ、炎越しの地球を撮影するという壮大なミッションです。ロケットの推進剤や科学実験としてではない、ただ燃えるためだけの「目的なき炎」が宇宙に迫るのは前例がなく、成功すれば人類史上初めての快挙となります。

僕達はこの「目的なき炎」に共生への願いを込めます。そして、炎越しの地球の写真と映像を世界に向けて発信します。新型コロナウイルスにより世界が分断されかけているという状況で、それでも世界が繋がることをあきらめないために、若者の力で国境のない宇宙を目指す。これはそんなプロジェクトです。

現在、このプロジェクトのために総勢140名以上の若者が日本中から集まっています。立場も分野も違う若者が、オフラインで集まれないという状況の中、手を取り合って一つの夢に向かって全力で動いています。

僕もそのメンバーの一人です。
技術班として開発に携わっており、打ち上げまでに解決しなければならない多くの課題と日々向き合い続けています。



僕は小学生の頃から宇宙が好きで、ロケットや人工衛星などに興味がありました。
将来は宇宙工学に関わりたいとも思っていました。
でも、夢を叶えるために特に何かしていた訳ではなく、宇宙はただの憧れでしかありませんでした。

大学に入ってからも、それは変わりませんでした。僕がなんとか入れた大学では宇宙工学を本格的に学ぶことができません。「ここでも自分は宇宙に憧れることしかできないのか」と悔しく思っていました。

 

半年前、自分の感じているこの不安を兄に相談しました。
ある程度話した後、兄は唐突に人工知能がどういう仕組みなのかを説明し始めました。
何も分かりませんでした。
でも兄が意味不明なことを生き生きと話しているのを見て、自分も好きなことをこんなに語れるようになりたい、と意欲が掻き立てられました。
勇気づけるためにその話をしてくれたのか、ただ趣味の話をされたのかはわからないけれど、そっと僕の背中を押してくれたように感じました。
それをきっかけに、兄の手助けを借りながら僕は名古屋大学の学生が集まるNAFTという宇宙開発チームに入りました。

NAFTに入ってすぐ、メンバーの熱量に圧倒されました。
法律という観点から宇宙を考えている人や、宇宙工学が好きでロケットを作っている人、宇宙の面白さを子どもたちに教えるために教育活動をしている人、みんな様々な形で好きなことに全力で取り組んでいました。
それを見てさらに刺激を受けた僕は「もっと自分も頑張りたい」という思いが抑えきれなくなり、今年、スペースバルーン班のプロジェクトマネージャーになりました。

先月、それがきっかけでこの「Earth Light Project」に誘われました。

そして今、こうして宇宙に炎を掲げようとしています。

 

正直、僕は思い切って行動するとか、決断するとかということがとても苦手です。
コンビニで買い物をするときですら悩みます。
直感で動いたことも、考えるより先に体が動いたこともほとんどありません。
だからおそらく、もし半年前の状態でこのプロジェクトの存在を知っても、何かしら言い訳をして関わろうとしなかっただろうと思います。

それなのになぜ、今このプロジェクトに関わっているのか。

それは、宇宙への想い、自分を変えたいという想いがあり、兄に背中を押してもらったり、周りの人たちの行動に刺激を受けたりしたというきっかけがあったからです。

何かへの憧れや、今の自分を変えたいという想いは誰もが一度は持つものだと思うし、
兄に相談したのも些細な行動に過ぎないのかもしれません。

でもこの想いときっかけが、僕に最初の一歩を踏み出す勇気をくれました。
そしてさらに、その一歩が、こんなにも素敵なプロジェクトに関わるきっかけとなりました。

皆さんの中にも、やりたいことはあるのに最初の一歩が踏み出せない、という人がいると思います。

世の中を良くしたい。
困っている人を救いたい。
今の自分を変えたい。

想いは次々と湧き上がって来る。

でも、

自分がやるのは場違いかも…
自分がでしゃばっても何も変わらないだろう…
失敗したら恥ずかしいな…

などと考えてしまい、最初の一歩がなかなか踏み出せない。

 

その時、そこに必要なのは「きっかけ」です。

友だちが言った一言が悩みを解決するきっかけになる。
たまたま目にした文章が人生を変えるきっかけになることもある。
今にも消えそうな炎が、想いはあるけど一歩踏み出せない人達のための「きっかけ」になることだってあるはずです。

スタートは小さな炎かもしれないけれど、この炎はきっと大きなムーブメントを起こす「きっかけ」の炎になります。

 

半年前の僕に、今の自分の状況は想像できませんでした。
もし、別の大学を選んでいたら?兄に相談していなかったら?NAFTに入っていなかったら?
このプロジェクトのことを知ってすらいなかったかもしれません。
ちょっとしたことがきっかけで未来は想像もできないくらい大きく変わる、僕は今それを実感しています。

 

そして、このプロジェクトに参加したことで、僕は知識を得、技術を得、仲間を得、大きな自信を得ると思います。
それがまた新たに大きな挑戦をするきっかけになっていくのだと感じています。

「Earth Light Project」がきっかけで自分が、みんなが、世界がどう変化していくのか。予測できないからこそ、すごくワクワクしています。

 

宇宙に掲げた炎が、自分にとって、みんなにとって、世界にとって、「きっかけ」の炎となるように、僕はこのプロジェクトに全力で取り組みます。

 



現在「Earth Light Project」では開発のための資金をクラウドファンディングによって集めています。目標金額は750万円。学生主体のクラウドファンディングとしては最大規模の金額です。7/24に開始され、現在、支援者数は約250人、支援金額は150万円を超えています。

日本中から集まった若者の挑戦です。このプロジェクトに共感して頂ける場合は是非ご協力いただきたいです。皆さんの応援を励みに僕たちはプロジェクトを成功へと導きます。応援よろしくおねがいいたします。

https://camp-fire.jp/projects/300851/backers#menu


 

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