EMPOWER Project -私たちが作る誰一人取り残さない世界-

その他

電車の中で、年配の方が立っている。
「席を譲りたい。でも、断られたらどうしよう…」。
知らない街で、道に迷ってしまった。
「道を教えてもらいたい。でも、頼みにくいな…」。

こんな経験、誰でもあるのではないでしょうか?

せっかく優しい気持ちを持っているのにか恥ずかしくてなかなか行動につながらない。それはとても勿体無いことです。

この課題に取り組むために、協力したい気持ちを表す「マゼンタ・スター」のバッジが生まれました。「マゼンタ・スター」を身につけることで、自分が協力したい気持ちがあることを、声に出すより簡単に伝えることができます。

私たちはこれを「協力者カミングアウト」と呼んでいます。

このちょっとの一押しで、困った時、協力してくれる人をみつけやすく、誰もが誰かのためになれる世界を実現できるのではないでしょうか。

 

EMPOWER Projectは東京大学のチームと、EMPOWER KANAZAWAが発信元となり、 国連、文化・芸術界、企業、世界の若者とのパートナーシップを通じて、 障害の「社会モデル」に基づき、東京オリンピック・パラリンピックや、 国連「持続可能な開発目標(SDGs)」の「誰一人取り残さない」社会実現に向けて、 この新文化を世界で推進しています。

これまでの社会では、「マタニティマーク」や「ヘルプマーク」のように、いわゆる「当事者」のカミングアウトを求める動きが中心的でした。

これらも大変有用ですが、一方で、自分の状況を表明したくない方たちがいること、自分が協力する側として行動するとき、恥ずかしくて声をかける勇気がでないといった課題があります。

 

更に、私たちは、国籍や障害、ジェンダーや年齢といった「属性」で状況を推測しやすいところがあります。

青い目の方が困っていたら「英語で話しかけないといけない」と思いがちだったり、白い杖を使っている方が困っていたら、視力に関する協力を必要としていると想定しがちだったりします。

しかし実際は、日本語がぺらぺらの青い目の方もたくさんいらっしゃいますし、その白い杖を使っている方は、単にトイレの場所を聞きたいだけかもしれません。

 

そして、このような分野をめぐっては、特に若者を中心として、「社会貢献やチャリティー=特別な人々がやること」といった考えや、「そもそも関心がない」という人たち、もしくは「良いことはしたいけど気恥ずかしい」という人も多くいます。

 

そこでEMPOWER Projectでは、当事者ではなく、協力者サイドが「よければ協力します!」とカミングアウトをする「協力者カミングアウト」を提案しています。

これにより、当事者のカミングアウトは必須ではなくなり、精神障害や知的障害などの見えにくい障害のある方や、自分の状況を表明したくない方にとって、有用です。

また、協力したいけれど、声を出す勇気がでないといった方にも、当事者サイドから声をかけてもらえる可能性が高まるため、安心です。

 

そして、属性ではなく、ニーズに目を向けるという点でも画期的です。

私達が普段困った時、多くの場合、年齢や国籍や障害の詳細は全く必要ありません。

そして、障害の有無や年齢に関わらず、また、日本語の上手下手に関わらず、体調が悪いときや知らない町に出かけた時には、誰でも当事者になりえます。

体調が優れない時、荷物が大きい時、 新しい町。少しの協力がとてもありがたく感じます。

同じように、障害の有無や年齢に関わらず、日本語の上手下手に関わらず、協力者になれるのです。逆に、障害があったり、海外で暮らした経験があるからこそ、より有用な協力ができるといったこともありえます。

 

これらの考え方によって、福祉のイメージとは一線を画し、そして、若者でも身につけやすいマークを使うことで、「カッコいいこと」として、若者をはじめとする多くの方に、EMPOWER Projectの考え・行動を普及させていくことができ、「普通のこと」として、文化の一部にしていけるのではないかと考えています。

これを実現するために、EMPOWER Projectはさまざまなコラボレーションをしながら、プロジェクトを進めてきました。今までのいくつかの活動を紹介いたします。

 

【国連NY本部でEMPOWERを紹介】
昨年の12月には国連本部で行われた「国際障害者デー」 イベントに招待され、EMPOWER Project を世界に発信しました。

【全日本大学サッカー協会との協力】
サッカー関東大学リーグの一節を 「EMPOWER マッチ」として開催した他、不要となった公式球を、 絵描きの朝倉弘平さん監修の下、子供達とリクリエイトするワークショップを行いました 。

【ピエール・エルメ・パリとのコラボレーション】
難病と闘う子供たちへの支援を行う「マカロン・デー」を通して、子供のためのアート・ワークショップ「マカロン、どうぞ」を開催しました。

【EMPOWER KANAZAWA発足!】
伝統を残す金沢から新しい価値観を発信すべく、石川県での活動も始まりました。能登島福祉推進員のユニフォームに採用された他、人気レストラン等とのコラボレーションも進行中!

【UNICEFとの協働】
東京大学の正門をマゼンタ・ピンクとUNICEFカラーの灯篭でライトアップする「UNICEF WEEK」を開催したほか、UNICEF幹部との会合では若者がSDGs達成のために取り組む実例として発表させていただきました。

 

そのほかにもさまざまな活動を行ってきましたので、ぜひHPをご覧下さい!これからもさまざまなステークホルダーとパートナーシップを結びながら、世界中の若者たちと協力し、「誰一人取り残さない」文化を作っていきます!応援をよろしくお願い致します!

 

VoYJ編集長。東京大学にて看護学やメンタルヘルスを学ぶ。神奈川県小田原市出身。かまぼこは食べられない。神奈川県湘南高校出身。泳ぐことはできない。