12月1日は映画の日 ~最強のふたり~

この日なんの日
+3

突然ですが、12月1日はなんの日でしたでしょうか?

多くの方が初めて知ることかと思うのですが(実は私も知りませんでした)、12月1日は映画の日でした!

1896年の11月25日~12月1日に、エジソンが発明したキネトスコープが輸入され、初めて神戸で映画が上映されたことを受け、12月1日は日本における映画産業発祥を記念する日として、1956年に制定されました。

 

私は映画を見ることが好きです。休日の寝る前に映画を見る時間は、自分にとって大事なリフレッシュのひと時になっています。

ドキュメンタリーからファンタジーやSF、邦画に洋画など、幅広いジャンルを見ますが、ウォッチリストに積読ならぬ「積見」(?)している映画も多くあります。

 

そこで、今日が映画の日であることにかこつけて、これから私の好きな映画について、皆様にお話ししていきたいと思います。

沢山ある好きな映画から、ひとつを選んで紹介するのはなかなか難しいことですが……。

今回ご紹介するのは、いつか見たいと思い続け、やっと最近見ることができたばかりの著名なフランス映画『最強のふたり (原題:The Intouchables)』です。

※以降映画の内容のネタバレを含むので、未視聴の方はご注意ください。

 

『最強のふたり』は、フランスで製作・公開された映画です。また、日本では2012年に公開され、第36回日本アカデミー賞において最優秀外国作品賞を受賞している、日本でも大ヒットを記録した作品です。

 

私は大学では、フランス語を第二外国語として学んでいます。この映画を見ようと思ったのも、フランス語の先生が、フランス映画を見るならまずこれから、という風におすすめしていたからでした。

『最強のふたり』はフランス語学習の観点からいっても、フランス語初学者でも、飛び交うフランス語がたまに「わかる!」となりながら楽しめる作品だと思います。

 

Amazon Primeのあらすじを参考にして映画の内容を紹介すると、

 

「事故で全身麻痺となり、車いす生活を送る富豪・フィリップと、図らずして介護役に抜擢されたスラム出身の黒人青年・通称ドリスという、共通点がゼロに見える2人がぶつかり合って、最高におもしろい最強の友情が生まれていく話」です。

 

このあらすじだけでも、2人の間でいったい何が起こるのか気になってきませんか?

 

フィリップはお金持ちで、ドリスにとって雇い主で「障害者」です。これまでフィリップの介護士の面接に来た人たちは、みんなフィリップのことを「介護が無いと生きられない可哀想な障害者」として扱い、フィリップの莫大な財産ばかり気にかけていました。映画の後半で分かることですが、ずっと勤めているスタッフたちを除くと、実際に介護士として雇った人々もそのような考え方の人が多く、フィリップは彼らと打ち解けることができません。

 

しかし、ドリスは違います。ドリスはフィリップに遠慮しません。

フィリップのことを1人のユーモア溢れる人間として見て、話し、時にはフィリップの障害さえもジョークにするのです。フィリップはそんなドリスのあっけらかんとした態度に好感を持ち、2人は少しずつ心を通わせていきます。

 

この映画にはたくさんの魅力があるのですが、私は特に、映画において2人の属性ではなく、2人の相互の関係性や掛け合いが重点的に描き出されている所が、魅力の一つだと思います。

フィリップはお金持ちで沢山の人に囲まれているけれど、重度の障害があり、またドリスは、健康だけどスラム出身でフランスで未だ差別の対象になることもある黒人で、家庭環境も複雑です。

このような、主人公達が逆境に立っているような設定は、数多の映画のなかで「よくある」もののように思われるかもしれません。しかし、『最強のふたり』は、他の映画とは主人公たちの描き方が大きく違います。この映画では、2人の属性による葛藤や大変さは、あくまで映像の端々から感じられるだけで、属性による苦しみを乗り越えることが、物語の中心にある訳ではありません。それよりも、主人公たちが自分たちの状況に悩みながらも、フィリップとドリスという2人のユーモア溢れる個人が、どう考えてどう行動してどうやって関係を構築していくか、という2人の物語を中心に楽しむことができます。

それが、この映画が私たちを惹きつけてやまないひとつの理由ではないかと思います。

 

色々と書いてきましたが、この映画はフランスの街並みや綺麗な景色、絵画や音楽などの点からも楽しむことが出来ます。

フィリップの恋愛模様やドリスのちょっと下品な(?)ジョーク、フィリップの誕生日会でのやりとりなど、泣けるシーンもくすっと笑えるシーンも盛りだくさんです。

映画としての構成も、あっと驚くものになっています。例えば最初の警察に捕まりそうになるシーン。最初はどういう意味かあやふやなまま、自分の中で「こういうこと……?」と思って見進めていたのが、最後に大きくひっくり返されます。

なのでぜひ気負わずに、フィリップとドリスの2人の友情の物語を楽しんでいただければ嬉しいです。

 

最後にまめ知識程度ですが、実は、この映画は、実際にいらっしゃる方をモデルにした、実話に基づく物語です。

興味が湧いた方は、ぜひ実際の彼らについても調べてみてください。

 

ここまで、『最強のふたり』の紹介をしてきましたが、いかがだったでしょうか?

まだ見たことない方はもちろん、もう既に見たことがある方も、ぜひもう一度見てみてください!

他にも語りたい映画が沢山あるので、またの機会にぜひ紹介させてください〜!


+3