疎外感を掘り下げてみる

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はじめての海外渡航で、私はニューヨークに赴いた。ニューヨークの街を歩く私の心に浮かんだ感情は、疎外感だった。この感情の原因を自分なりに探ってみようとした。

肌の色の違いだろうか。たしかに、顔を上げて歩いていると、前から流れてくる人の波の色が日本でのそれと違う。均一でない。ブロンドの髪を風になびかせている人も、黒い肌を太陽にきらめかせている人もいる。そういった人々がこの国のマジョリティなんだと思うと、自分がマイノリティであるような気がしてる。

それとも単純に、自分が日本から研修で短期間やって来たからだろうか。でも、日本国内の他地域に旅行に出たときは、あのとき感じたような疎外感はなかったように思う。地域住民というマジョリティに対して自分がマイノリティだからといって、疎外感を感じているわけではなさそうだ。

自分の中でもまだしっかりした答えは出ていない。だが確実に、マジョリティとマイノリティという二項対立と疎外感とは切っては切れない関係にあるように思う。

事態はそう単純ではなさそうだ。LGBTの人々は疎外感を感じることもあるだろうが、明らかに社会における少数派である高所得者層は別に疎外感なんて感じないだろう。その差は社会的立場だろうか。だとしたら、米国内で今も続く人種による社会的立場の違いという問題が、自分がニューヨークで感じた疎外感のために、いっそう身近なものに思えてくる気がする。

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