「難民」と聞いて皆さんは何を思い浮かべますか?
紛争? 宗教対立? 虐殺? ボートピープル?
これらはテレビやネットのニュースではよく聞く言葉ではないかと思います。また多くの人が思い浮かべることではないでしょうか。
しかし、日本に住んでいる私たちにとって紛争や宗教対立といった言葉は身近なものではなく、私たちはどこかで「難民」を遠い存在のように考えてしまっているのではないかと思います。
私自身がそうだったのです。
日本は難民受け入れに消極的であり、日本人の私たちは生活の中で彼らと交流することは極めて少ないと思います。私は実際に会ったことも話したこともありません。
だからそう思ってしまうのは仕方ないのでしょうか?
遠い国で起こっていることだから、と難民問題から目を背けてもいいのでしょうか?
私は絶対にそう思いたくありませんでした。
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自己紹介が遅れてしまい申し訳ありません!
私は長崎大学3年、学生団体STARs代表の三田万理子です☺
STARsは今年立ち上げたばかりの学生団体で、難民問題についてより多くの人々に知ってほしいという想いで活動しています。
私は活動をする中で「知る」という1番最初のステップをとても大事にしています。
ここで伝えたい「知る」とは表面的なことではありません。
私は高校生の時まで、先に述べたような、よくニュースで聞いたり授業で聞いたりする難民問題だけを見て「彼らについて知っている」と思っていました。
しかし高校生の時に「難民映画祭(WILL 2 LIVE映画祭)」に参加したことをきっかけとして、これまでの私が知っていた「難民」、「難民問題」とはかなり違う…
いや、事実は同じなのだけれど、表面的なものではなく彼らの現実を目の当たりにしました。
とても衝撃を受けました。
画面の中ではあったけれど、難民たちが泣き叫び苦しむ姿、またそれだけではなく、生きようと強く、逞しく前に進もうとする姿を見て、私はこれまで何を見て「難民問題」に向き合っていたんだろうと思いました。
そこに映し出されていた彼らは、家族と一緒に暮らし、ご飯を食べることが大好きで、好きな歌手がいて、学校で友達と話すことを日常の楽しみとしている人々でした。
私たちとなんら変わりはありません。
しかし住んでいる国が、環境が違うだけで、家族や友達を失ってしまう悲しみを背負っていたのです。
私はそこで「難民問題」を遠い世界で起こっている問題として考えていた自分に気がつきました。
もちろん彼らが直面している問題を知り、考えることはとても大事です。
しかしそれと同時に、彼らの日常生活、そこから見える私たちとの共通点を知ることで、より難民を身近な存在として考えていくことができるのではないでしょうか。
(難民映画祭 WILL 2 LIVE映画祭に興味のある方は是非ウェブサイトへ:
http://unhcr.refugeefilm.org/2019/ )
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この「知る」ということを軸に、今年の世界難民の日(6月20日)に向けて私が所属するSTARsでは初プロジェクトを行うことになりました!
このプロジェクトでは6月14日〜20日を難民Weekと設定し、その期間に難民のご飯をSNS上で紹介していきます。
一括りに「難民」といっても、彼らは色々な国や地域で、それぞれ独自の文化を形成し、未来へ繋いでいます。
その彼らの文化を「食」という観点から覗き、少しでも難民について知っていきたい、知ってほしいという想いでこの企画を決めました。
私が「難民映画祭(WILL 2 LIVE映画祭)」で見た映画をきっかけに、「難民」そして「難民問題」について知り、向き合うことができたように、
本や音楽、食べ物など様々な入り口から「難民問題」という1つの課題に向き合うことができると私は思っています。
このプロジェクトを始めとして、私たちSTARsは誰もが「難民問題」に取り組める機会を発信していきたいと考えています。
私が所属している団体だけではありません。
全国にはたくさんの団体があり、たくさん「知る」機会があります。
是非この機会を活かして、皆さんも「難民」、「難民問題」について少しでも知り、理解を深めていきませんか?
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最後に少しだけ、活動をしている中で学んだことをお話しさせていただこうと思います。
現在のように団体として活動するに至るまでは、まさか私が何かアクションを起こすことができるとは思っていませんでした。
大学に入学した時は、「考えるだけではなくて難民問題に対して何かしら行動を起こしたい」と意気込んでいました。
しかし地方に住む私は、都市部の大学のように難民問題について学べる機会(セミナーなどのイベント)が多いわけではなく、難民問題について一緒に考えるようなコミュニティもありませんでした。
それを言い訳に1人ではできないから、と私は自分が学びたいことを諦めかけました。
そんな中、違う大学に通っている同じ学生の子たちが積極的に学んでいる姿を見て、こうしちゃいられない!と、とりあえず声に出していくことから始めました。
すると私の声を聞いて共感してくれた人たちが続々と現れ、1つのグループとなり、現在のような形で同じ興味関心のある問題に取り組むことができています。
何かに挑戦することにおいて、環境、年齢、学歴なんて関係ないんです。
自分が学びたいこと、取り組んでいきたいことは、声に出していけば自然とその機会がやってきます。
黙って諦めるのではなく、少しでも「やりたい!」と思ったらどんどん声に出していきましょう☺
「VoYJこの日なんの日特別企画 世界難民ウィーク」Youth×UNHCR for Refugees 企画ページはこちら
長崎大学多文化社会学部在学。学生団体STARs代表。高校生の時にNZへ留学したことをきっかけに、多文化共生社会に魅了される。帰国後、日本の難民受け入れの現状に疑問を感じ、現在は同じ志の学生と共に長崎大学学生団体STARsで「難民問題」に取り組む。(Instagram: @stars_refugee)