「やってみなはれ」のすゝめ

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0. はじめに 

店番をする女の子が気になるが、なかなか声をかけられない男の子。月日は流れ、とうとう女の子は引っ越してしまい、思いを伝える機会を逃してしまう・・・「人間は、行動した後悔より、行動しなかった後悔の方が深く残る」という、行動非行動の法則をメッセージ に取り入れた大和証券の CM を今でも鮮明に覚えており、これは私の人生の教訓でもあります。

 

私は人より遅れて今年の 4 月に社会人になりました。とはいえ、世間的には若造です。 

人生哲学を語るなどおこがましいですが、挑戦は、人生においてかけがえのない宝をもたらすという重要性は確信しています。そのことについて、短期留学、うどん部、熱量ある人との出会いという学生時代の3つの体験を振り返りながら述べます。 

 

1. 短期留学 

中国や台湾の学生と、カリフォルニアのスタンフォード大学で1か月間、英語とアメリカ文化を学ぶというプログラムに参加しました。「スタンフォードで、一生忘れられない夏を過ごそう!」とチラシに謳い文句があり、最初は「本当~?」と思っていました。ですが、鳩山由紀夫が出た有名校であった上(私、ミーハーなんです笑)、アメリカへの憧れも朧げながらあったため、兎に角やってみようと参加を決めました。

 

午前は英語のライティングとスピーキングの授業を受けました。関心のあるアメリカ社会の問題を選んで調査し、ペーパーを書き、最終授業で内容を発表しました。私は、現地の人々がファストフードを食べる習慣に興味があったため、食べる頻度や一緒に何を飲むかについて問いを作り、歩いている人にインタビューすることに挑戦しました。日本でもやったことのない、初めての試みです。イメージ通り、1か月に 5 回も食べる人もいれば、飲み物は、コーラは根強い人気がありました。一方、意外にも「水」と答える人が多かったです。話しかけると、“No!”とあからさまに拒否する人もいて、最初は正直辛かったですが、それを経験したからこそ、精神的に強くなりました。次の人に聞こう、と気持ちを切り替えることを学びました。そして、次に聞いた人が快く答えて、「頑張ってね」と言ってくれれば、やりがいという活力源になるのです。

午後は、文化活動を自分で選んで参加していました。大学の農場で土を耕して野菜を収穫したり、大リーグを観戦したり、ヒップホップダンスをしたり、キャンパス内の商業施設でジャズコンサートを見たり、と普段の生活では巡り合わない刺激ばかりでした。大学にショッピングセンターなど考えられないですよね。また、シリコンバレーのグーグルも見学しましたが、私服の社員が子どものような無邪気な顔でビーチバレーをやっている姿が印象的でした。このような自由闊達な雰囲気が新たなる創造を生み出しているのかもしれないと私には感じられました。 

また、アメリカ、中国や台湾の友人が多くでき、互いの食文化や言葉について関心を持つ契機でした。日本では地域ごとに醤油の味が異なるという話をしたら彼らが驚いたことや、お互いの汚い言葉を教え合ったことなど今でも鮮明に覚えています。思えば、「外国人」 と交流するのが好きな私の性格の素地はここで形成されました。 

 

2. うどん部 

大学では、うどん部というサークルに入っていました。うどんを食べ、作り、文化祭で焼うどんを売ることが主な活動です。のほほんと緩く、大学生らしく自由にマニアックなことと接するサークルです。その印象的な名前ゆえに、TBS 系「マツコの知らない世界」の制作者から連絡をいただき、折角なので他部員と出演しました。はなまるうどん・丸亀製麺・山田うどんのチェーン比較をマツコ・デラックスさんに紹介する内容でしたが、店の歴史や店舗立地の特徴、だしの種類という軸で比較しましょうと企画段階で提案し、受け入れていただきました。例えば、「はなまるは、女性客が一人でも入りやすいよう、食べているところが外から見えにくい地下に店を造る」、「丸亀は店内で製麺しているところを見せるため、外から店内を見やすい一階部分に店を造る」という知識を視聴者に届けるために考えました。微力ながら、番組制作に携われたことは、相手にいかに情報を伝えるかの訓練になりました。 

放送後、人生で初めてエゴサーチをしてみました(笑)。「一所懸命にやっている」、「うどん食べたくなった」という嬉しい声もある一方、「今泉は歯が出ていてキモい」という書込みもありました。これが匿名性を利用したネットの悪口発信かと感じ、「言いたい奴には 勝手に言わせておけば良い」という境地に至りました。また精神力を鍛えましたね。

 

3. 熱量ある人との出会い 

私は大学では法学部でしたが、教育学の授業も履修していました。同じ授業を受けていた友人から、「教育に関心がある先輩がいるのだけど、話してみない?」と言われ、人材系の仕事をしている社会人を紹介してもらいました。会う予定が日曜日であっただけに、当初は「日曜は休みたいなあ」と思ってしまいました(ごめんなさい)。しかし、声をかけてもらったからと考え、お会いしました。この方は、子どもが大人に憧れる社会を作ることを熱く真剣に目指していて、小学生に多様な業界の人と触れ合う機会を設けて、子どもたちが潜在的に持つ興味や能力を最大限引き出そうという活動をされています。この時は、現代日本の教育における問題意識について語り合いました。具体的には、教室における集団の「和」が過度に重視されて生徒が自分から発話しにくかったり、特定の分野に特化して尖ったりすることを避けるような雰囲気があるのではないかという話をしました。 

私が社会人になった今でも、この方との交流は続いています。この方は、子どもが羨望の対象とする大人がより素敵になる活動として、様々な領域の大人同士を会わせて、新しい「モノ」を生み出そうということもなさっています。その一環として、ブランディングの方やプロダンサー、ブライダルプランナーなど私が今まで出会ったことのない方々にお会いできる場を設けてくださいます。それぞれの知見から日本の未来を語ることは知的興味深さがあります。このように、人脈が広い方と出会えたことも、友人から誘われたあの日に赴いたからだと確信しています。

 

4. 結び 

かくして、「とりあえずやってみよう」という気持ちから、精神力や人脈という人生の糧を得ています。経験前では想像できない、膨大な収穫があるのです。何事も、少しでも迷ったら、とりあえず挑戦することを勧めます。人生は一度きりなのですから。 

 


大和証券の CM https://www.youtube.com/watch?v=_mZy91D0pxM 

スタンフォード大学での短期留学プログラム 

https://viaprograms.org/expand-your-boundaries/language-cultural-exploration/american-language-culture/ 

 

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