ようこそ!六つの点の素敵な世界へ

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エレベーターの操作ボタンや駅の運賃表など、身近なところにある点字表示。小学校の国語教科書の中で取り上げられることもあるため、点字が六つの点の組み合わせから成り立っていることをご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。今日は、そんな小さな六つの点から広がる素敵な世界の入り口へ、みなさんをご案内します。

私は小学1年の頃、多くの皆さんが文字を習うのと同様に、点字を学び始めました。まず、一般的に用いられている日本語の点字はカナ表記であり、ひらがな・カタカナ・漢字の使い分けは存在しません。ですから、言葉の意味を正確に理解するためには、漢字の使い方も知る必要がありました。今私は、パソコンの画面読み上げソフトを使って、漢字仮名交じり文の記事を書いているわけですが、例えば、同じ「てんじ」という言葉でも、「点数の点とローマ字の字」なのか「発展の展と展示するの示、示す」なのかなど、読み上げられる説明を聞きながら、正確な字を選んでいます。といっても、よく変換ミスをしてしまうのですが…。

さて、点字を使って表せるのは日本語の仮名だけではありません。規則さえ暗記すれば、数式やアルファベット、フランス語のアクセント付き文字や楽譜だって、表現できるんです。

私が思う点字の魅力、一つ目は、どこでも読めるということです。暗い部屋でも問題なし、車内でも乗り物酔いする心配はありません。また、冬の寒い日には、こたつの中に本を入れて、手を温めながら読書を楽しむことだってできます。

二つ目は、点字本を通した人とのつながりです。私が手にする書籍や参考書、楽譜の多くは、全国各地の点訳ボランティアさんたちが作成してくださったものです。点訳作業には、専門的な知識が必要で、分厚い参考書や楽譜に至っては、何ヶ月もかけて訳してくださいます。書店や図書館に足を運べば読みたい本が何でもすぐに入手できるというわけではありません。でも、指先で触れる一つ一つの点の先には、何人ものボランティアさんたちの温かい心がある。それって本当に素敵なことではありませんか?

この記事を通して、「活字が見えない人のための文字」というイメージを超えて、皆さんが点字の魅力や面白さに触れるきっかけを提供できたなら、それほど嬉しいことはありません。素敵な文字を読み書きできる、そんな幸せをかみしめつつ、これからも私は学び続けます。


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東京大学文科Ⅲ類1年。特技はピアノ演奏と人の声を覚えること。将来は、誰もが望む場所で十分に教育を受けられる世界の実現に貢献したい。