学生にできることって何だろう

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私は、所属するNPOの活動で去年の夏と今年の春にインドのデリーを訪れました。そこで現地の社会課題について調査し、それを改善するための活動を起こそうとしたのです。

 

しかし、それがいかに困難であるかを後に知ることになります。

 

私たちはJICAや現地NGOなどにインタビュー調査を行いました。そしてその一環として、ある日、デリー市のはずれにあるスラム街でフィールドワークを行いました。

そこでの光景が、とても印象的だったのを覚えています。そこは確かに、いわゆる「途上国のスラム街」として教科書に載っている写真とよく似ていました。しかし、教科書の写真とは全く別物に映ったのです。静かで快適な日本の教室で見るのではなく、灼熱で湿気に満ちた現地で感じたのは、写真からは分からない音や臭い、飛び回るハエの触覚でした。このとき、これまで私が持っていた途上国や新興国への理解が、机上のものに過ぎなかったと気づいたのです。そして、ここの人たちの生活をよりよくできる活動をしたいと心に決めました。

 

私たちはその後、スラム街の子どもたちとワークショップを行い、文化やジェンダーについて学ぶ教室を開いた他、現地の協力者と共に教育プロジェクトを行いました。

しかし、こうした私たちの活動を外部に発信するにあたって、否定的な反応をされることがあります。

「横文字ばっかり使って、結局活動に意味があるの?」

「自己満足だけの意識高い系でしょ」

そして私自身、こうした批判を受け入れています。

私たちが選んだテーマは、生活を劇的に変革するものではありませんでした。また、活動も多くの人に大きなインパクトを与えたとはいえません。

 

そしてここに、学生が国際協力活動を行う上での普遍的な課題があると思います。

私たちは、高いモチベーションを持ち、大きな理想をもって活動してきました。

でも、その熱量や理念に対して、自分たちの能力が、お金が、時間が、足りない。

だから、目指す理想を達成するのに足るインパクトが与えられない。

 

そんな中で、私たちにできる最善を尽くして活動した結果が、子どもたちとのワークショップと教育活動でした。私はこの私たちの活動に誇りを持っています。ただ、無力感を覚えたのも事実です。

 

学生は、アマチュアです。活動に時間をかけすぎるあまりに学業がおろそかになれば、大学生としては本末転倒です。また、ノウハウも、お金もありません。最近はクラウドファンディングなど、小さな活動に予算を付ける動きもありますが、まだまだ難しいのが現状です。

「目指す理想に対して、インパクトのある活動ができない」

国際協力を志向する若者の多くが、こんな葛藤を抱いているのではないでしょうか?

私自身、この矛盾に苦しみ、悩んできました。

 

そんな中で、今、私が考える最良の解決策が「リソースを持つ人々と協力して活動を進める」というものです。

 

私は、来年開催される日ASEAN学生会議の健康分科会の運営リーダーとして、会議の準備をしています。この学生会議は日本政府が推進するJENESYSというプログラムの一環として一般財団法人日本国際協力センターと一緒に行います。私たちが運営に参画し、学生目線で活発な議論ができるように日々努力しています。予算やコネクションを持つ組織と協力することで、私たちが新たな価値を付け加えながら、目指す理想に向かってインパクトのある活動をしていきます。私の「声」を通じて、国際協力を考えている誰かの力になれたなら幸いです。

 

最後に宣伝を一つさせてください。

 

来年2月に開催される日ASEAN学生会議健康分科会のテーマが「子どもの健康格差」です。本会議では、日本とASEAN諸国の統合的な視点から健康格差を考えるために、様々な講演・ワークショップが予定されています。グローバルヘルスの領域で研究・活動をしている研究者や国際機関・民間企業の職員、日本国内で健康格差の実態把握と解決に取り組んでいる研究者や官公庁の職員など、多くの専門家を招いてお話を伺います。こうした方々の知識・経験と学生たちの想いを結び付け、知的想像力を働かせながら、学生たち自身による解決策を考える。それが、私たち健康分科会が描く本会議の在り方です。

 

興味を持ってくださった方は、下記リンクからエントリー方法をご確認のうえ、郵送にてエントリーをお願いいたします。健康分科会の活動に特に興味を持ってくださった方は、参加申込書の「参加希望グループ」欄にて、「D 保健(健康)」を上位にご記入ください。


なお、日ASEAN学生会議全体についての概要は以下の通りです。
▼イベント名
JENESYS 2018 日ASEAN学生会議
▼期間
2019年2月19日~2月25日(日本人参加者)
▼場所
東京(東京駅近くのホテルに宿泊します)
▼参加費用
プログラム中の宿泊費・交通費・食費・施設入場料・保険加入費は主催者負担
▼使用言語
英語
▼応募方法
郵送

▼応募締切
2019年1月8日

 

・応募webページ:https://www.jice.org/info/2018/12/japanasean2018.html

(参加資格、提出書類などの詳細は上記webページをご覧ください。)

 

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栃木県出身。20歳。東京大学工学部建築学科在籍。関心があるのはものづくりやデザイン、国際協力など。見たことのないものを見て、作ったことのないものを作るのがモットー。