就職活動という地獄をくぐりぬけて

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まず、この記事を読むみなさんに聞きたい。「就職活動にどんなイメージを持ちますか?」

2年前の自分ならこう答えると思う。「自分の将来を決めるためのものだ」

就職活動を始めた人のほとんどがそう思い、多くの社会人から話を聞いて自分のキャリア観を形成していく。

僕も、就職活動1年目は多くの社会人から話を聞き、自分のキャリア観を形成できたと思う。

ただ、ここからが地獄の始まりだった。

 

地獄① 選考にことごとく落ちる

 

僕は、色々な社会人に話を聞き、「多くの人の挑戦を助けられる損害保険会社か、国の政策を考える国家公務員になろう」と思った。

他にも、視野を広げるためにいろいろな業界を幅広く受けた。

ただ、選考に落ち続けた。

国家公務員試験は1次試験で落ち、企業の選考もほとんど1次面接で落ちた。

唯一残った最終選考も、志望度をうまく伝えられず落ちてしまった。

その後、必死に企業にエントリーしても、ほとんど面接にすらいけなかった。

ここで、「大学院の進学も視野に入れよう」と考えたが、それが2つ目、そして最大の地獄への入り口だった。

 

地獄② 大学院も落ち、自己嫌悪に

 

大学院試験受験のため、先輩から入試情報を教えてもらい、過去問をがむしゃらに解いていた。

結果は、1次試験不合格だった。

しかも、高校同期との旅行中にその事実を知ることになった。

旅行から帰ってきた後、一晩中泣いていた。

そして、「俺、社会不適合者なんだ」と思った。

それ以来、友人と全く連絡を取らなくなった。

周りは進路が決まり、悠々と卒業旅行を楽しんでいるのを見るのがつらくなった。

それで、SNSのアカウントはほとんど消し、家に引きこもった。

ただ自分を責め、「死んだら楽になるんだろう」と思う毎日。

中学時代から、「自分は人より劣っている」と思いながら必死に頑張ってつかんだ大学合格なども考えると、心のどこかで「就職活動や大学院入試も何とかなるでしょ」と思っていた部分もあるかもしれない。

就職活動も入試準備も中途半端にしてしまったこと、それが悔しかった。

ただ、神様は自分を見放していなかった。もう一度就職活動を頑張ろうと思うきっかけが2つあったのだ。

 

転機① 母の言葉

 

追い詰められた自分は、母親にこう漏らした。「早く死にたい」

その時、母親は泣きながら、「今死んだら何も残らない。もう1年大学生続けていいから死ぬことだけはやめてほしい」といわれた。

その時の母の顔は今でも覚えている。

そこで一つ決心した。「もう1年必死に頑張ろう。そして、翌年末までに内定出なかったら自殺しよう。」

ここから、就職活動2年目が始まった。

 

転機② リクルーター面談

 

2年目は、夏に法科大学院のサマースクールで企業法務について学んだ際、実際に法務担当の方から仕事の面白さを聞いたため、法務職志望になった。

そこで、メーカーのインターンに参加するため、目についた企業すべてにプレエントリー(情報を受け取るためにマイページを作ること)をした。

その中の1つの企業から「お時間のある時にお話ししませんか?」とメールが来た。

当時、「自分の周りは家族以外敵だ」と思っていた自分には衝撃だった。

「こんな自分に興味を持ってくれるなんて」と思い、企業情報をくまなく調べ、自分のやってきたことをまとめ面談に臨んだ。

その結果、インターンに参加させてもらうことになった。

その後、多くのインターンに参加させてもらったが、その中の1つの企業から後日呼び出され、こういわれた。

「あなたと一緒に働きたい、だから全力でサポートさせてくれ」

こんな企業に出会えると思わなかった。そして、その企業に応えるため、全力でぶつかった。

その結果、奇跡的に内定がもらえた。

内定が出た瞬間、今までの苦労はすべて笑い話になった気がした。

 

就職活動を通して大事だと思ったこと ①就職活動をする会社側の本音

 

こんな感じで、就職活動を人より長くやってきたが、大事だと思ったことが3つある。

1つは、「就職活動は自分の希望を伝えるだけの場ではない」ことである。

運がいい人は自分がしたいことを伝えるだけで内定がもらえるかもしれない。

ただ、企業にとって採用活動をする理由の1つに「自社で活躍する人間を取りたい」というのがあると思う。

だからこそ、やりたいことに加え、「したいと思った理由、やりたいことができるという根拠」が必要なのだと思う。

僕も、以上の条件を満たすために、幼少期の経験や大学で成し遂げてきたことをわかりやすく伝える練習をした。

そのおかげで、1年目より多く最終選考まで残れたし、内定をもらうことができたと考えている。

 

就職活動を通して大事だと思ったこと ②就職活動は人に頼ってするもの

 

2つ目は、「就職活動は人に頼ってするもの」である。

今まで、「就職活動は人に頼らず自分でやるものだ」と思い込み、自己流でやってきたし、弱音をだれにも吐かなかった。

その結果、就職活動の取り組みが自己完結してしまい、本当に伝わっているのか知らずに選考を受けていた。

2年目は、面接指導を受け、リクルーターにエントリーシートを何度も添削してもらった。

そして、就活のノウハウ本を買い、就活を成功させた人たちの習慣をひたすらまねした。

その結果、1年前では想像がつかないくらい選考通過率が上がった。

 

就職活動を通して大事だと思ったこと ③苦しい時に支えてくれる人

 

最後は、「苦しい時に支えてくれる人は大事にすべき」である

これは、2つの大きな出来事がある。

1つは、高校の友人が、内定が出るまで毎週オンライン飲み会を開いてくれたことだ。

当時は、「なんで毎週やるんだよ、めんどくさいな」と思っていたが、今思えば不満のはけ口になっていたのかもしれない。

そう思うと、企画してくれた高校の友人には頭が上がらない。

 

もう1つは、サークルの先輩である。

人前に出るのを恐怖に感じていた自分に何度も電話をかけ、飲み会にひきずり出してくれたのは今となっては感謝しきれない。

当時は「なんで何度も電話かけてくるんだろう」と疑問に思っていたが、今思えば、その先輩も自分のことを心配してくれたのかもしれない。

 

就職活動が終わってから、多くの人とオンラインで会って話してわかったことだが、当時の自分を見て心配していたが、声をかけられなかった人も多かったようだ。

当然だろう。自分が逆の立場であれば、心を閉ざしている人に話しかけるのは勇気のいることで、やっていないと思う。

僕個人の意見だが、困っているときに手を差し伸べてくれる人は本当に大事にした方がいいと思う。

行動に移してくれる人はもちろん、心の中で心配している人も大事にしてほしい。

その後、SNSを再開したときに、旧知の友人がアカウントの存在を知り、たくさんフォローリクエストを送ってくれた。

自分は神様だけでなく、友人にも見放されていなかったようだ。

 

最後に:就職活動中の人、これから就職活動する人へ

 

冒頭の問いかけをされたら今の自分はこう答えるだろう。

「就職活動は、自分の活躍できる分野を見つけ、それを求める企業を探すことである」

だから、採用試験で落ちた人は、「人格を否定されたんだ」と思わないでほしい。

「自分の強みをうまくアピールできなかったんだな、今度は自分のこういう経験も言ってみようかな」「この業界では活躍できないかもしれないけど、別の業界だと必要とされているのかも」と、広い視野を持ち、面接やエントリーシートの内容を見直してほしい。

「就職活動はゲームと一緒」とまで言うと怒られそうだが、攻略法はある。

だから、困ったら人にすぐ相談してほしい。親でもいいし、友人でもいい。

キャリアサポートの人でも、先生でも、頼れる人は頼ってほしい。

就職活動は地獄だが、内定が出てしまえばその苦しみは全部笑い話になる。

「苦しんだ分、人は優しくなれる」皆さんが納得のいく就職活動となるよう、応援している。

 

最後に、就職活動の話を共有してほしいと勧めてくれた先生とVoYJ事務局のみなさん、今まで支えてくださったすべての友人と関係者に感謝を申し上げたい。


 

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