なぜ、私たちはLGBTsを知っておくべきなのか?

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本記事では、LGBTs(性的少数者)である・ない関わらず、「私たちがどうしてLGBTsを知っておくべきなのか」について、LGBTsをテーマの絵本を作った、私の考えを書きます。よろしくお願いします。

 

「LGBTs…って、難しい。 さっきの説明聞いても、ようわからんわ~。」

 

これは、ある日の帰り道、友達に言われたことばです。

その日、私は大学のイベントで「LGBTsと子ども」というテーマで話をしました。

 

それを聞いた友達は「LGBT」の4つの性のありかたについて、既に知っていましたが、アセクシュアル1)やXジェンダー2)といった性のありかたについては、その日、初めて知ったため、混乱していました。

 

1) アセクシュアル(無性愛)・・・他者に対して性的欲求も恋愛感情も抱かない
2) Xジェンダー・・・身体的性別に関わらず、性自認(自分の性別をどう捉えているのか)が男性にも女性にもあてはまらない

 

たしかに、たった一度の説明を聞いただけで、LGBTsを理解するのは難しいだろうと思います。しかし、だからといって、「よく分からない」で済まさず、分からないところを、本やネット等で調べて知ってほしいなと私は思います。

なぜかというと、LGBTsを知らないと、意図せず、人をきずつけてしまう恐れがあるからです。

 

例えば、恋バナをするとき、LGBTsについて知らないと、「~~さんって、彼氏/彼女いるの?」と人に尋ねてしまいます。

 

この発言では、人を傷つけてしまう可能性があります。それは、相手は異性が恋愛対象である前提でのことばであり、相手のことを十分に考えれているとはいえません。もしかすると、相手は同性を好きになる人かもしれません。

 

このように、LGBTsについて知らないと、自分の価値観を相手に押しつけてしまい、苦しい思いをする同性愛者(レズビアン・ゲイ)の方がいます。

 

実際に、私がLGBTsの絵本を作るにあたり、当事者の方と話す機会があった際、こうした苦しい経験をしたことがある人がいました。友人や、知り合った人に、聞かれるたびに嘘を重ねないといけない苦しさがあるようです。

 

また、冒頭でも紹介しましたが、アセクシュアル(無性愛)という、性的欲求、恋愛感情を抱かない人もいますので、日頃から、ことばをよく見つめ、考えておかなくてはいけません。

 

ことばをよく見つめていると、「彼氏/彼女いるの?」ではなく、「付き合っている人いるの?」等のことばになると思います。

 

最後になりますが、「もしかしたら、相手は~~なのかもしれない。」という前提をLGBTsに関わらず、いろいろなことに考えを巡らせれば、ことばで、きずつく人は減ると思います。

 

この記事が、11人に1人3)(左利きの人とほぼ同じ割合)とされるLGBTsの人たちについて、知る契機となれば幸いです。

 

3) 電通ダイバーシティ・ラボ」が1月10日、全国20〜59歳の約6万人へのアンケート「LGBT調査2018」を実施。調査によると、性的少数者(LGBTs)に該当する人は、8.9%。
https://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2019002-0110.pdf

 

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