夏の風物詩…!

あなたの知らない世界
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夏といえば…

ラジオ体操!!!

とはならないと思いますが、小学生の時の夏休みに、毎朝近くの公園に行ってラジオ体操をした記憶がある方も多いのではないでしょうか。

私はとっっっても朝に弱いので、ラジオ体操カードに押してもらえる可愛いスタンプだけをモチベーションに、寝惚け眼をこすりながら行っていた記憶があります。しかし正直なところ、誰がこんな面倒くさいことを考えたんだろう?と思っていました(笑)

ということで、今日はラジオ体操についてちょっと書いてみようと思います。

日本でラジオ体操を始めたのは1928年11月1日のことでした。ラジオ放送自体が始まったのが1925年ですから、かなり初期から行っていたんだなぁということが分かりますね。

1928年10月21日の東京朝日新聞朝刊で、「ラヂオ放送を利用して国民保健を計らうといふ新趣向が最近逓信省簡易保険局、ラヂオ放送局並に民間生命保険協会の手で立てられてゐる」と報じられており、ラジオ体操には「被保険者をして家庭体操を行はしめもって死亡率を低下せしめよう」という目的があったようです。

1931年には、ラジオ体操の歌(現在よく知られている「新しい朝が来た~♪」ではなく、初代の方です)が決定しました。歌詞は一般公募され、「中学卒業目下受験準備中で歌に趣味を持った」21歳の青年のものが、見事一等に選ばれたのです。

私たちと同じyouthが作ったというのも面白いですね。

1933年にはラジオ体操を利用した窃盗罪が起きています。

犯人の一人が呉服屋に侵入して盗みを働いている間に、もう一人が入り口に立ちふさがって、近所から聞こえる音楽に合わせてラジオ体操をすることで、カモフラージュしたと言います。

通行人が不自然さを感じないほど、ラジオ体操が浸透していたということなのでしょう。

戦争がはじまると、ラジオ体操も戦時色を帯びていきます。日本による支配の一環として、植民地の人々にラジオ体操を普及したり、戦争に向けた心身鍛錬のためのツールになったりしていきました。ラジオ体操の放送は終戦前日まで行われ、わずか一週間後の8月23日には再開しています。

1946年には新しいラジオ体操が制定されましたが、戦後の食糧不足による空腹と、体操自体の難易度の高さが原因で広まらず、翌年中止に。そして1951年に再び定められて、現在のラジオ体操に至ります。

ラジオ体操は、単なる早起きのための体操などではなく、人々の生活に深く根ざし心身に影響を与えてきた、子供から大人まで世代を超えて親しまれる、大きな存在なのです。

このことを小学校の時の自分に教えてあげられたら、もう少し真面目に起きていたかも…。

夜更かしなどで生活リズムが崩れがちな夏休み。

日が高く昇る前、ちょっと早起きして、歴史に思いを馳せながら、体を動かしてみませんか?

 


参照

・黒田勇『ラジオ体操の誕生』青弓社、1999年

・朝日新聞

・「ラジオ体操の歴史」https://www.jp-life.japanpost.jp/radio/abt_csr_rdo_history.html

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